感染力が強い麻疹(はしか)の患者数が急増している。
国立感染症研究所によると、今年の患者数は16日時点で32人に上り、このうち少なくとも22人が3月の報告例となっている。海外で流行しており、厚生労働省は都道府県を通じ、渡航を予定する人に注意を呼びかけている。
感染研によると、患者32人は神奈川、兵庫、大阪、東京、埼玉など15都府県に及び、うち18人がベトナムなど海外で感染したとみられる。年齢別では、20歳代が14人と最多で、0歳児が4人となっている。
麻疹ワクチンは、1歳と就学前の各1年間に定期接種で1回ずつ受けている。森内浩幸・長崎大教授(小児科)は「一回も接種を受けていない0~1歳児は免疫がなく、感染すると重症化しやすい。流行国に連れて行くのは控え、国内で麻疹の患者と接触した可能性があれば、小児科医に相談してほしい」と話す。
厚労省は、海外渡航を予定する人に対し、渡航先の流行状況の確認や、ワクチン未接種の場合は渡航前の接種検討などを呼びかける文書を出した。