海上自衛隊の哨戒ヘリコプター2機が昨年4月、太平洋上での訓練中に空中衝突して墜落した事故で、海上自衛隊は12日、水深約5500メートルの海底に沈んでいた2機の機体主要部を引き揚げたと発表した。
複数の搭乗員の遺体も確認した。
米海軍が手配したサルベージ船が8日から現場海域で引き揚げに向けた作業を始めていた。無人潜水機を使って機体にワイヤを取り付ける方法で、11日夜に「16号機」、12日朝に「43号機」を引き揚げた。今後、横浜市の米軍施設「横浜ノースドック」に移して詳しく調べる。
事故は昨年4月20日夜、伊豆諸島(東京)・鳥島の約280キロ東方の海域で発生。2機に分乗した搭乗員8人全員が死亡した。海自は昨年7月、それぞれの搭乗員の見張りが不十分だったことが原因などとする事故調査報告書を公表した。