文京区の名門小学校に中国系新移民の子が“爆入学”…SNSでは“合格マウント”合戦も「日本語を話せない生徒もいる」と物議

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「3S1K」と呼ばれる東京都文京区の公立小学校が、中国系新移民の間で人気を集めている。「3S1K」とは、「誠之小学校」「千駄木小学校」「昭和小学校」「窪町小学校」の頭文字を取った通称で、長い歴史と優れた教育実績を誇る名門校として知られている。近年、これらの学校には中国籍の児童や中国にルーツを持つ児童が急増しているという。そこで今回、3S1Kの関係者や保護者に取材を行ない、その実態や本音を探った。
【画像】「開成合格」…文京区在住の中国系新移民による”マウントSNS”
東京都文京区にある有名公立小学校「誠之小学校」「千駄木小学校」「昭和小学校」「窪町小学校」の4校は、その頭文字を取って「3S1K」と呼ばれている。
3S1Kは学力レベルが高く、中学受験をする児童の割合が多いことで知られているが、近年では中国系新移民の保護者の間でも強い関心を集めているようだ。
文京区教育委員会によると、文京区の公立小学校に在籍する外国籍の児童数は年々増加しており、2023年の389人から2024年には467人へと、約20%も増加した。
また、「3S1K」のひとつの、ある公立小学校関係者の男性によると、彼の学校では全児童約900人のうち約2割が外国籍の児童であり、その約9割が中国籍だという。
特にコロナ禍以降、在日中国人による中学受験が急速に広がっている。中国で人気のSNS「小紅書(RedNote)」には、合格発表シーズンになると「筑波大学附属駒場」「灘」「開成」「桜蔭」など難関中学の合格証の写真を投稿して“合格マウント”を取る中国系の保護者たちの姿が多く見られる。
また「小紅書」には3S1Kに関する情報も多く投稿されており、中国語で「名門校への進学率が高い3S1Kは“神校”」「文京区には東大があり、日本でもっとも教育水準が高い地域」「円安の今が狙い目」といった内容が見られる。
さらに、「3S1K学区のおすすめ物件」や「日本で戸建てを買うなら、中学受験率が高い文京区がおすすめ」といった不動産に関する情報も多く発信されている。
これについて、中国・上海出身で4歳の娘を文京区の幼稚園に通わせているAさん(30代女性)に話を聞いてみた。
「『小紅書』は通称『Red』と呼ばれており、中国版Instagramのようなもの。中国には『攀比(pnb)』という、『あらゆることにマウンティングし合う』という意味の言葉がありますが、人口も多いため、とにかく競争社会なんです。最近では、“インスタ映え”ならぬ“Red映え”を狙い、SNSで何でもかんでも自慢する中国人が増えています」(Aさん)
前出の公立小学校関係者の男性も、「近年、SNSの影響で3S1Kの学区に移住する中国人が急増している」と指摘。同氏によると、学区内の一軒家の相場は現在約3億円で、購入者の多くが中国人富裕層だという。
しかし、コロナ禍以降の学区の実態について、彼は次のように続けた。
「以前は高級マンションや一軒家を好む中国人富裕層が多かったのですが、最近では金銭的に無理をしてでも文京区に来て、家族で1DKに暮らす中国人も増えています」(学校関係者男性)
同氏は、中国人児童やその保護者との間で生じる言葉や文化の違いによる問題も深刻だと指摘する。
「学校には、日本語をほとんど話せない中国人児童が2割以上在籍しています。さらに、中国人児童同士で固まる傾向が強く、日本人児童との間に壁ができてしまい、上手くコミュニケーションが取れていないとも聞きます。
保護者も日本の学校のルールをわかっていないケースが多く、児童にトラブルがあった際でも保護者と連絡が取れず、困っている先生もいますね。
こうした状況から、外国籍の児童をサポートする『日本語指導協力員』が学校に動員されているのですが、『税金を使って児童に日本語を教えるのはいかがなものか?』という意見もあります。
しかし、中国人の間ではSNSを通じて『文京区は日本語が話せない児童のサポートをしてくれる』という情報が瞬く間に広まり、中国人の在籍児童数は増え続けています。3S1Kは名門とはいわれてますが公立小学校ですし、東大にだって入りやすいわけでもないのですが…」(学校関係者男性)
多くの中国人が、そこまでして日本での子育てにこだわる理由とは何なのだろうか。
前出のAさんの娘が通うクラスでも、約半数の園児が外国籍であり、中でも中国系の子どもが圧倒的に多いという。文京区で子育てをする中国人が急増している理由について、Aさんはこう語る。
「一人っ子政策以降、中国では子育てに大金を使うのが当たり前という風潮になりました。塾や学校、持たせるブランド品に至るまで、親同士が常に競い合い、子どもたちも幼い頃から勉強やスポーツなどあらゆる面で競争を強いられるのが当たり前。
こうした背景もあり、それに疲弊した中国人が平穏を求めて日本へ移住するケースが増えているのです」(Aさん)
中国の大学受験者数は年々増加しており、現在、日本の約20倍にのぼると言われている。そのため、近年では「日本の受験は厳しくない」と考える中国人も多いという。Aさんは自身の大学受験生時代を振り返り、こう続けた。
「睡眠時間を削って1日15時間以上勉強するのが普通でした。また、親や先生からのプレッシャーが原因で、うつや摂食障害になる同級生もいました。『自分の子どもには同じ目に遭ってほしくない』という思いが強く、日本で子育てすることを選びました」(Aさん)
一方で、文京区の公立小学校に子どもを通わせている日本人の保護者は、現状に対してどう感じているのだろうか?
「3S1K」に通わせる小学2年生の娘を持つ30代専業主婦の女性は、こう話す。
「親の一存で、日本語がまったく話せない児童が日本の公立小学校に通わなくてはいけないのは、正直かわいそうです。
娘のクラスにも、言葉の壁によって勉強についていけない児童がいて、日本人の児童との間に差が生まれています。校門の前で『学校に行きたくない』と泣いている外国籍の児童を見ると、胸が痛くなりますね」
また、小学生の息子を持つ40代男性は、次のように指摘する。
「運動会などの行事の際、自分の子どもの出番でなくても、前方に居座り続ける中国人の保護者が多くて。『日本人には譲り合いの文化があるのになぁ』と感じました。
結局、そのときは中国人のPTAの方が中国語で説明をしてくれて、席を譲ってもらうことができました。中国語が話せる方がいないと、保護者同士でも意思疎通を図ることが難しいと改めて感じましたね」
しかし、中国人の児童や保護者に対して肯定的な意見もある。前出の男性はこうも話す。
「中国人の保護者の中にはシステムエンジニアなどの専門職に就いている方も多く、教育熱心な家庭が多い印象です。また言語の壁があるにもかかわらず、受験に向けて熱心に努力している児童が多いため、息子にとってもいい刺激になっていると感じます」
日本の中学受験戦争に参入する中国人は、今後も増加していきそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
※「集英社オンライン」では、今回の記事に関連して小中学校での外国人トラブルなどの情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。メールアドレス:[email protected](旧Twitter)@shuon_news

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。