“告発文書は誹謗中傷性が高かった”増山県議が百条委の結論に異議「委員会は不信任決議を追認・正当化する組織に」

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(百条委員会 奥谷謙一委員長)「知事は(去年)3月27日の記者会見で元県民局長の(告発)文書を『事実無根』『うそ八百』と評しましたが、文書には一定の事実が含まれていたことが認められました」 5日午前11時に始まった兵庫県議会の本会議。その冒頭、4日の百条委員会で取りまとめられた調査報告書が提出され、賛成多数で内容についての了承が得られました。 調査報告書では、告発文書の中で斎藤知事のパワハラとして例示されていた職員への叱責などについて、「パワハラ行為と言っても過言ではない」などと評価。元県民局長を告発者と特定し懲戒処分とした県の初動について、「告発者潰しと捉えられかねない不適切な対応」などと指摘しました。

しかし、すべての議員が完全に納得していた訳ではありません。 (増山誠県議)「本議案に対して、反対の立場から討論を行います」 先月、維新を離党した増山誠県議です。告発文書に誹謗中傷性が高かったことや、通報者探索はやむを得なかったとする専門家の意見を掲載すべきだったなどとして、百条委員会が出した結論に異を唱えました。 さらに、百条委員会そのものについても… (増山誠県議)「(百条委員会の)報告書が出る前に、知事に対する不信任決議案が可決されました。この時点で百条委員会は外形的中立性、客観性が損なわれており、議会自らが下した不信任決議を追認・正当化するための結論、すなわち、不信任決議をしたことは正しかったという結論を導く組織になっている」 今回の百条委員会の調査には、会派間の攻防や思惑も見え隠れしているのです。各会派の総意とされていますが、とりまとめの協議が始まった当初、斎藤知事のパワハラや公益通報者保護法違反の事実認定について、維新だけが反対の立場を取っていました。そのため、報告書のたたき台には、「パワハラの認定は司法の判断によるべき」「通報者の探索が違法だったとは断定できない」などと斎藤知事を擁護する維新の意見も記載されていました。 しかし、事態は急転… (岸口実県議)「私から立花氏に渡ったのは否定できない」 (増山誠県議)「私は今でも立花さんがデマを言っていたというふうには認識しておりません」 百条委員会メンバーだった元維新県議2人によるNHK党・立花氏への情報提供問題です。2人は百条委員会の委員を辞職。その後に示された報告書の修正案では、当初記載のあった維新の意見が削除されました。 ある維新県議は… (維新県議)「(百条委で意見を)言いにくくはなったと思う。2人に代わって調査に入った若手議員では、言いづらい部分もあったのでは」 政治的な動きもある中まとめられた百条委員会の調査報告書。これまで一貫して県の初動対応などについて「適切だった」としてきた斎藤知事。百条委員会が出した結論を受けて5日午後、会見にのぞみました。

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