大阪・八尾市の住宅街で発見された、コンクリート詰め遺体。6~7歳くらいの子どもと見られる遺体が、コンクリート詰めにされた衣装ケースの中で見つかった。現場は、集合住宅の一室。大阪府警は死体遺棄の疑いで大阪市平野区の無職、飯森憲幸容疑者(41)を逮捕、3月2日に送検した。
【写真】カメラに向かって不敵な笑みを浮かべる飯森容疑者
現場には昨年の暮れごろまで飯森容疑者の80代の父親が住んでおり、退去後に管理人がコンクリートが詰まった不審な衣装ケースを見つけ、警察に通報したことで事件が発覚した。【前後編の後編。前編から読む】
捜査関係者によると、遺体はミイラ化していたという。身長は約110センチで、腹部の臓器が損傷していた。何者かに暴行されて死亡したとみられている。飯森容疑者は「十数年前に預かっていた姉の娘をしつけでたたいたら翌朝冷たくなっていた。父親と相談して一緒にコンクリート詰めにした」と供述。府警は殺人や傷害致死容疑も視野に入れ、慎重に捜査を進めている。
飯森容疑者は逮捕されるまで内縁の妻と同居していた。大手紙社会部記者が語る。
「内縁の妻は任意の聴取に対し、『昨年11月ごろ彼に衣装ケースの運搬を頼まれ一緒に運んだが、何が入っているかはわからなかった』と供述しています」
NEWSポストセブン取材班は飯森容疑者の自宅を訪れた。遺体発見現場となった集合住宅から車で10分ほど離れた大阪市内の市営住宅。近隣住民に話を聞くと、飯森容疑者の日常が浮かび上がってきた。
「ここには飯森容疑者と40代くらいの女性、そして高齢女性が3人で暮らしていました。住み始めたのは2、3年前くらいかな。3人ともずっと家にいるようでしたが、なんの物音もしないほど静かでした。引っ越してきた時も挨拶はなく、閉鎖的な一家だなという印象を受けました」(近隣女性)
「静かな一家」という印象だったようだが、飯森容疑者のことは記憶に残っているようだ。
「刺青を見たとかではないんですけど、どことなく怖い雰囲気でした。こまめにドアを修理したり、扉の装飾をしたりしている場面を何度か目にしましたが、いつも鬱陶しそうで、面倒くさそうにしていて……。あとは携帯灰皿を持って共用部の廊下でよくタバコを吸っていました。普通なら吸わないような場所なので、印象に残っています」(同前)
飯森容疑者はの敷地内でよくタバコを吸っていたようだ。別の近隣女性も容疑者の姿を何度か見かけたことがあったという。
「あー、廊下でタバコを吸う人ですよね。夕方になると毎日のように見かけました。上下スエット姿で、作業着やスーツを着ているところは見たことがないですね。ただ市営住宅の大掃除には女性と2人で参加し、『おはようございます』と挨拶していたこともありましたよ」
近寄りがたい雰囲気を感じた人もいれば、挨拶を交わしたことのある住民もいるようだ。自治会関係者は一家の印象を以下のように明かす。
「評判は悪く無かったと思うんですよね。自治会費の滞納も無かったしね。
でも、あそこの部屋は60代くらいの高齢女性がひとりで入居していると申請されているはずなんだけどね。でもコソコソ住まわれたら分からない。僕は飯森容疑者らが住んでいたとは知らなかったなあ。市営住宅だから、ちゃんと人数を申告しないと。居住者の人数で家賃が変わるから」
住宅街を震撼させたコンクリ詰め事件。事件の全貌解明が待たれる。
(了。前編から読む)