《どうしてここから出られないの…》田村瑠奈被告は現在も「首を拾っただけなのに」と弁護人に伝達、裁判で明かされた“家庭内暴力”「ガムテープが飛んできた」「運転中に首絞め」【ススキノ事件公判】

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2023年7月、札幌・繁華街ススキノのホテルで男性会社員・Aさん(62=当時)が殺害された事件。逮捕・起訴された親子3人のうち、死体損壊ほう助や殺人ほう助などの罪に問われている父・田村修被告(61)の第7回公判が2月4日、札幌地裁で開かれた。
【最新写真】事件が起きたススキノのホテル202号室の現状。薄暗い浴室に「手錠セット」の貸し出しも…
この日は、母・浩子被告(62)の証人尋問と修被告の被告人質問が行われた。殺人や死体損壊などの罪に問われている娘・瑠奈被告(30)は、中学から不登校になり、18歳ごろから自宅に引きこもるようになった。両親は娘に頼まれたものを買い与えるなど“瑠奈ファースト”を徹底し、常に娘の顔色をうかがって生活していたという。裁判を傍聴したライター、普通氏が解説する。
「瑠奈被告は両親を罵ったり、『私は奴隷です』という内容のメモを浩子被告に書かせて台所などに貼らせるなどの振る舞いをしていたことが、これまでの裁判で明らかになっています。
提出された証拠の中には、瑠奈被告が『I want to kill you』や『テメェら殺してやる』などと両親を怒鳴りつける場面の録音音声もあり、それに対して浩子被告は『(それらの言葉を聞いたことは)記憶にある』と認めています」(普通氏)
しかし、弁護側の証人尋問において浩子被告は、普段の瑠奈被告の言動は殺意とは関係がないことを示唆する発言をしている。
弁護人「普段から『殺す』とか頻繁に使う?」浩子被告「はい」
弁護人「実際に殺されそうになったことは?」浩子被告「ない」
弁護人「瑠奈(被告)が『殺す』と言っているのを聞いても」浩子被告「その言葉を使っても(実際に殺人を行うのは)次元が違うので、(自分が殺されるという)危機感を持たないと思う」
では、娘から両親への暴力はあったのか。修被告は次のように答えている。
弁護人「瑠奈(被告)の暴力について。修(被告)が受けることはあったか」修被告「暴力といえるかどうか、親子喧嘩の延長程度」
弁護人「あるか、ないか」修被告「ある」
「同じく、浩子被告も瑠奈被告からの暴力は『あった』と答えました。しかし、『怪我はなかった』とも述べており、暴力は“非常に軽度なもの”だったことを強調しました。
過去の裁判で浩子被告は『(瑠奈被告が投げた)ガムテープが飛んできた』こともあったというが、それはあくまで“強いほう”の暴力であり、普段はそこまでしないという旨の主張もありました」(同前)
また修被告も過去の公判で、「運転中に(瑠奈被告に)首を絞められることがあった」と証言している。
被告人質問において、弁護人が「瑠奈被告を恐いと思ったことはないか?」と尋ねる場面もあった。修被告は「思ったことはない」と回答している。
弁護人「(被害男性の)首を切断したあとも浩子(被告)は同居していた。(瑠奈被告が)危害を加えるとは?」修被告「一度も思ったことない」
弁護人「なぜ」修被告「(事件が)起きる前も後も、本人から殺意が感じられなかったので」
また証人尋問では、弁護人による「瑠奈被告の殺害動機は想像もできないか?」との質問に、浩子被告が「聞いていない」と答える場面があった。
浩子被告「(Aさんとのトラブルがあった)当初、怒っていたのは確か。一旦怒らなくなったと思ったけど、事件が起きたので、怒っていたのかなと取り調べ時には思った。でも聞いてはいないので、これ以上はわからない」
弁護人「動機も瑠奈(被告)から聞いていない?」浩子被告「はい」
弁護人「事件から1年7ヶ月経って、警察や弁護人からその点はなんと聞いている?」浩子被告「弁護士からは、瑠奈(被告)は動機も殺人したことすらもわかっていない。『首を拾っただけなのに、どうして出られないの』と言っていると聞いている」
動機については、瑠奈被告本人の裁判を待たなければ明らかにされないのかもしれない──。

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