中国では延べ90億人が移動する春節の大型連休がスタートし、多くの観光客が日本を訪れています。そうしたなか、アジア圏で人気が高まっている電動スーツケースに警察や空港が警戒を強めています。
中国の大型連休・春節が始まり、日本でも多くの中国人観光客が旅行を楽しんでいます。にぎわいを見せる一方で、問題となっているのが、スーツケースを巡るマナーです。
列車内の乗車スペースを塞ぐような形で置かれたスーツケース。これでは他の乗客がこのスペースを利用できません。成田空港行きの総武線の車内で撮影されたというこの写真。見えているだけでも13個のスーツケースが確認できます。
さらに、新幹線のデッキで撮影された写真には、乗降ドアの前にスーツケースが積まれています。さらに隣の車両にも同じように乗降ドアの前にスーツケースが置かれていました。
この写真を撮影した人はこうコメントしています。
一方、京都では観光スポットへ向かう市営バスに旅行客が乗ることで、スーツケースが車内のスペースを奪い、地元住民がバスに乗れないなどの問題も起きていました。
そうしたなか、スーツケースを巡って新たな火種となりそうなのが、電動スーツケースです。
スーツケース内部にモーターを搭載し、ハンドルや足置きを展開することで乗ることができるようになります。
最高時速は時速10キロから13キロほどです。旅行先で楽に移動ができるようになることから海外を中心に人気が高まっています。
一方で、中国ではこのような映像がありました。撮影者の前を走っているのは電動スーツケースに乗った女性。すると、バランスを崩し転倒。なかなか起き上がれない様子から、強い衝撃を受けたとみられます。
電動スーツケースを巡っては、今年に入り台湾の桃園空港で乗って使用することが禁止に。また、国内でも近年、関西国際空港が安全のために電動スーツケースでの走行を禁止しました。
羽田空港でも去年、事故防止の観点から、走行はしないでほしいと呼び掛けています。ところが…。
番組スタッフが国際線のロビーで発見したのは、電動スーツケースに乗って走る子どもの姿。すぐ後ろにはカートを押して歩く母親がいますが、注意する様子は見られませんでした。
日本ではウィンカーなどの保安基準を満たしていないことから電動スーツケースで公道を走ることはできません。
去年6月には、大阪で電動スーツケースで歩道を走ったとして、道路交通法違反の疑いで中国籍の30代の女性が書類送検されています。
SNSでは電動スーツケースに乗って走る行為に、批判的な声が上がっています。
仮に電動スーツケースに乗って事故を起こした場合、どんな罪に問われるのでしょうか?専門家はこう話します。
こうした事態を防ぐためには、使用を巡るマナーの周知が必要だと指摘します。
(「グッド!モーニング」2025年2月1日放送分より)