1月28日から春節で感染拡大は必至か…中国発″第二のコロナ″ヒトメタニューモウイルスが日本を襲う

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日本が″第二のコロナ″に襲われようとしている――。
中国で新型コロナウイルスが、’19年12月に初めて報告されてから5年。別の感染症が中国で大流行しているのだ。ヒトメタニューモウイルスである。医療ガバナンス研究所の上昌広(かみまさひろ)理事長が語る。
「’01年にオランダで発見された、呼吸器感染症の原因となるウイルスです。発熱、咳、倦怠感(けんたいかん)などの症状を引き起こします。小さな子供や免疫力が低下している高齢者が感染すると、深刻な状態になることも。過去には肺炎を起こしたり、他の感染症を併発し死亡した事例もあります」
感染者数は判明していないが、中国疾病予防コントロールセンターによると、ヒトメタニューモウイルスが拡大し始めたのは昨年11月だとか。病院には高熱と激しい咳に苦しむ患者が殺到。病室が足りず廊下にもベッドを並べ、歩行も困難な感染者が溢(あふ)れている状態だという。
中国医療を逼迫(ひっぱく)させるウイルスが、日本でも流行するのは時間の問題のようだ。1月28日から始まる春節の連休で、過去最多の延(の)べ90億人が移動。日本にも72万人以上の中国人観光客が訪れると見込まれる。米国の大手総合病院メイヨークリニックの医師だった木原幹洋氏が語る。
「当然、潜伏期間(3~6日)にある感染者が中国から入国するでしょう。感染者が増えてもヒトメタニューモウイルスには治療薬やワクチンはなく、対症療法や自然治癒に頼るしかありません」
現在、日本の医療現場はインフルエンザの蔓延で悲鳴をあげている。厚生労働省によると、1月12日までの1週間に全国で報告された患者数は17万2417人。昨年末に’99年の統計開始以来、過去最多を記録するなど、1医療機関の患者数は4週連続で警報レベルの30人を超えているのだ。前出の上氏が話す。
「新型コロナに感染した人はインフルエンザだけでなく、さまざまな病原菌に対し免疫力が落ちているんです。患者が増え、どこの医療機関でもたらい回し状態。私が診察する埼玉県内の診療所でも、事務方が『近くの病院はどこも満床のため電車で30~40分かかる医療機関へ行ってもらっている』と嘆いています」
ただでさえ感染拡大するインフルエンザで日本の医療は崩壊寸前なのに、中国から新たにヒトメタニューモウイルスが襲来したら……。前出の木原氏は、恐ろしい事態を想定する。
「現在でも検査キットや薬が足りず、インフルエンザの患者を治療できないパニック状態が続いています。予備の検査キットも使い切ってしまった。そこにヒトメタニューモウイルスの患者が大挙して来たら、とても対応できません。厚生労働省は、ヒトメタニューモウイルスの患者数を把握し対応をとるシステムを構築できていない。もし変異し、重症化する確率が高まったらどうするのでしょう。現場では、もう対処しきれません」
病床が足りず、患者がホテルに隔離収容される″コロナの悪夢″がよみがえるかもしれない。
『FRIDAY』2025年2月7日号より

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