フジテレビの新社長に就任することが決まったフジ・メディア・ホールディングスの清水賢治専務取締役は27日の会見で、視聴者の信頼回復の手立てについて、「魔法の薬はない」と話した。
清水氏は、元タレントの中居正広氏と女性とのトラブルをめぐる一連の報道などを受けて辞任を表明したフジテレビの港浩一社長に代わり、新社長に就任することが発表された。
清水氏は失った視聴者の信頼をどう取り戻していくのか問われると、「完全に(信頼を)失ったとまでは思いませんが、そのような危機にあるという認識をしております」と述べた。
その上で、信頼を取り戻す方法については、「たった一つの魔法の薬というものはないと思っています」としつつ、「日々一つずつ直実に策を実行していくこと、そして、日々の、信頼を少しずつ取り戻していくことを地道に誠実にやっていくことということに尽きるのかなと思っています」と述べた。
また、再発防止策については、「優越的地位を持っているものが立場の弱い者に対して言うことを聞かせる。そして、そこから生まれるハラスメントが生じるという、これは断じて許されないことだと思っております」とした上で、「やはり複数の目、そこの決定過程に透明性がある程度必要なんだろうなと思います。
そこが密室の中で行われるとハラスメントが発生する可能性が高くなる。ですから、そこをどこまでバランスをとってやるのかというところが、一つのヒントになるのかなと考えています」と説明した。
清水専務取締役は『ドラゴンボール』や『ちびまる子ちゃん』など多くのアニメのプロデューサーを務め、2012年6月にフジテレビの総合メディア開発メディア推進局長に就任。総合開発局長、執行役員総合開発局長、執行役員常務経営企画局長、取締役、常務取締役を歴任し、2022年6月からフジテレビの親会社であるフジ・メディア・ホールディングスの専務取締役に就いている。