33歳差カップル「将来ある若者のそばに私がいていいのか」25歳の彼に悩んだ58歳の女性「シワも増えれば白髪も増える」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

33歳差カップルとして、SNSで日常を発信するななこさん(58)と歩夢さん(25)。交際にあたっては3つの大きな悩みがあったと明かします。(全2回中の1回)
【写真】年齢差はあるけど「それ以上の絆を感じる」33歳差カップルの日常(全12枚)
── おふたりは、ななこさんの仕事仲間が集まったときに、歩夢さんも参加されていて出会ったとのこと。当時、ななこさんが56歳、あゆむさんは23歳だったそうですね。お互いの第一印象について教えてください。
ななこさん:歩夢さんは、好青年で、とても話しやすい人だなと思いました。ただ、私と歩夢さんは年齢的にも母と子どもくらいの年齢差がありますし、私は離婚歴もあります。よく、こんな歳上と話をしてくれるなと思いながら、はじめから話が弾んだので、年齢差を忘れる瞬間がありました。
歩夢さん:彼女については、綺麗な人だなと。あと、趣味の話…とくに僕は昭和の映画が好きなのですが、そうした話でも盛り上がりました。ほかにも話が合ったので仲良くなりたいと思った気がします。
── 恋愛観について。歩夢さんの恋愛対象は、もともと年上の女性が多かったのでしょうか?
歩夢さん:小・中学生くらいまでは気になる人は同級生でしたが、高校生になると学校の先生のことを好きになりました。当時、先生は40代中盤。僕は、映画『男はつらいよ』が好きなんですが、主人公の寅さんの妹が、賠償千恵子さん演じる「さくら」と言って、その先生もさくらに似た方だったんです。先生のことが気になって職員室にも通いましたが、先生は旦那さんもいたので、僕の片思いで終わりました。ただ、それ以降、パタっと好きな人のタイプが変わってしまって。年上の方が好きになりましたね。大学生のころは教授が気になったり。大学時代に、飲み会は行ったことはありますが、合コンとかは一回も行ったことないですし、ななこさんが初めておつき合いした人です。
── 初めて出会った日に、次は2人で会う約束をされたそうですね。
ななこさん:彼が「今度どこか行きましょう」と言ってくれたんです。当時、私は神戸、彼は徳島に住んでいましたが、彼が神戸まで来てくれることになりました。出会いから2週間経たないくらいの時期だったと思います。神戸ではいくつか観光スポットをまわりながら、私も彼も自然が好きだと知って、次は小豆島に行くことに。ここでも朝から夜まで1日過ごしましたが、あっという間でしたね。
冷静に考えれば、年齢差があるし、言葉巧みにかわして2人で会わない選択もできたんでしょうが、私もはじめて彼に会った日から彼に惹かれる部分があったんだと思います。いまどきの20代の人だったら話も合わなかったかもしれませんが、彼はすごく落ち着いていて、むしろ私より年上かなと思うくらいだったし。
歩夢さん:2人で会ってみたら、年上だけど子どもっぽいところがあって、歳の差をまったく意識しないで話せた感じで。落ち着きを求めている部分があるかもしれないですけど、2人でいるとちょうどいいバランスというか。
── そこから、どのようにしておつき合いに発展したのでしょうか。
ななこさん:きちんとした言葉はいまだにないんですよ。でも、はじめて2人だけで会ったときに「ずっと一緒にいていいですか?」って言われたので、「え?これどういう意味?」と戸惑いながら、なんとなく自然とつき合いが始まっていたような…。いつからスタートしたのかわからないので、出会った日を記念日にしています。
── 交際がスタートしていかがですか。
ななこさん:とても楽しいですが、はじめはふとしたときに弱気になることがありました。「周りの人はどう見るんだろうか」「年齢差がある人に気持ちをもつとかおかしいんじゃないか」とか。私としてはよくないことのように思えるし、将来ある若者に対して私がそばにいちゃいけないんじゃないかって。いろいろなことをすごく悩んで、彼に何度も問いかけをしました。
── とくにどのあたりが気になりましたか。
ななこさん:大きくわけると3つですね。「子どものこと」「私の老い」「周りがどう思うか」。まず、子どものことを最初に投げかけました。私は年齢的にもう出産は厳しいですが、彼は若い。彼に子どもについて聞いてみたら「自分は子育てが向いてない気がするし、自分が自由にやりたいことをやるのがいちばん」と言われたので、これ以上、気にしなくてもいいのかなと。もし、彼が子どもを作ることを望んでいたら、私は離れたと思います。
あと、老いていく不安ですね。私は還暦目の前ですし、シワが増えれば白髪も増える。いろんな症状が出てきますよ。いくら「それでいいんだよ」って言われたところで、今を起点に3年後、5年後、10年後の自分を思い描いたときに、自分で自分が嫌になることもあります。
その思いがゼロになったわけではないですが、つき合いが一年以上経った今は、彼がシワも白髪もすべて寛容に受け入れてくれるんですよね。私が「こんなにシワが増えて」なんて冗談で言いますけど、あまり気にしなくていいというか、自分をさらけ出して生活できてますね。あと、顔だけではなくて、体力もだんだん落ちていきます。20代のころって50代の体力はあまり想像つかないと思うんですけど。でも、そんな不安もすべて話していく中で薄れていった感じです。
歩夢さん:自分はシワや白髪が増えようが気にならないし。たとえばなんですけど、僕は車が好きなので、最新の車と昭和の車を比べたときに、たしかに最新の車は快適に乗れます。でも、味わいというか、乗ってておもしろいのは昔の車だと感じるタイプなんです。全然、違う魅力があると思うんですよね。
── 年齢差だけではないかと思いますが、心変わりの不安はありますか?
ななこさん:はじめは考えましたね。今はいいけど続くのかって。でも彼と一緒にいて、簡単に信用を壊す人じゃないなっていうのはわかってきた。彼とは今は一緒に住んでいますが、遠距離からスタートしたんです。「彼の同世代の女性に嫉妬することとかありますか?」と聞かれることがよくありますけど、心配していたら遠距離なんて不安でやっていけなかったと思うんです。だから彼が心変わりするとか、彼に対するやきもちもないんですよ。幸せな人間だと思いますけど。自分に自信があるわけじゃないし、もともと私は考えてしまうほうなんですが、彼の人間性を見てそういうことをする人じゃないとわかったので、今は2人で楽しく暮らしています。

そんなおふたりですが、歩夢さんが2024年の夏に転職をし、勤務先が関東になったことをきっかけに同棲をスタートすることになりました。
取材・文/松永怜 写真提供/ななこ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。