70歳間近で韓国俳優に沼落ち。口元が上品で笑顔がさわやか!娘からは一笑されたけど、苦労続きの人生の末に見つけた私の幸せ

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「私、この韓国俳優に沼落ちした」
唐突な私のひとことに、「沼落ちの意味わかってんの?」と娘が一笑。
近年、「推し活」とか「沼落ち」とか耳にすることはあったが、私には無縁の話と思っていた。それなのに……。ある日一瞬で、どっぷりと「沼」にはまったのだ。
それはさほどの興味もなく観始めた韓国ドラマだった。
北朝鮮の工作員と女子大生の悲恋の物語。名前すら知らなかった俳優にいつの間にか私の心は射抜かれ、それからはテレビにかじりつく毎日に。
画面を注視し、アップになった「推し」の顔をスマホで撮っては保存を繰り返した。
彼は、年下男子役で多くのドラマに出てきたが、30歳を過ぎてから人気が急上昇。口元が上品で笑顔がさわやかなのだが、ドラマでは工作員役のため、苦虫を噛み潰したような表情ばかり。
それにもかかわらず、私は毎夜放送時間になるとテレビの前で恋人を待つかのように胸を躍らせた。
悲しすぎる最終回では、自分が推しと決別するかのような寂寥感に慟哭。その夜は眠れなかった。
推しに出会って数ヵ月。日本にもファンクラブがあるが、小心者の私は、入会に踏み切れずにいる。部屋中に貼ったポスターを見つめては、「素敵だなあ」とため息の日々。
「70歳手前から推し活って遅くない?」と娘は笑うが、苦労続きだった人生の末に見つけた素敵な笑顔が、私を幸せにしてくれる。
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