この冬、出没が相次いでいる冬眠しないクマ。その目撃が後を絶ちません。
FNNが入手した映像には、犬が吠える先にいる1頭のクマが柿の木の下で何かを食べている様子が映っていました。
2024年12月20日、秋田・潟上市で撮影されたクマの姿。犬が吠え続けているとクマが立ち上がり、カメラのほうをじっと見つめ、しばらくすると走り去っていきました。
本来なら冬眠しているとされる時期に相次ぐ、クマの出没。
この年末年始も、冬眠しないクマの目撃情報が相次ぎました。
2024年12月28日に秋田・美郷町で撮影された映像には、雪が降り積もった田んぼの上を歩くクマの姿が映っていました。田んぼと近くの住宅との距離は約50メートル。
撮影した人は「1メートル以上…かなり大きかった。最初、大きい犬かと思った。シカやタヌキならよく見るがクマは初めてだった。あまりにも近くで見たので怖くてびっくり。痩せていなくて丈夫だった。まんまるとしていて、今の時期に見るクマなのかなというくらい。餌とか食べているのだと思う。猟友会の人たちにも動画を見てもらったが、かなり大きいと言っていた」と語りました。
同じ日、近くでは別の目撃情報も寄せられました。
車で通りかかった人が、雪をかき分けながら歩くクマを捉えました。
クマは周辺に約30分とどまった後、林に立ち去ったということです。
クマの出没はこれだけでは終わりません。
年末から2025年1月にかけ、目撃が相次いだクマ。
クマダスによりますと、2024年12月22日から2025年1月5日までのクマの目撃件数は68件。
前の年の同じ時期の5件と比べると、急増しています。
特徴的なのは、クマが捕獲された後に同じ地域で何度もクマが目撃されることです。
2024年12月26日には、秋田市の自動車整備工場の倉庫にクマが入り込み、約1日かけて体長1.2メートルのメスの成獣が捕獲されました。
クマが侵入した倉庫の近くは車通りが多く、飲食店や住宅、学校が立ち並ぶエリアです。
周囲を散歩していた人は「まさかと思った。雄物川の川下の方に出没するのは理解できるが、いくらなんでもこの辺では…」と話しました。
この倉庫からわずか2kmの場所では、2024年12月31日にもクマが目撃。
周辺を取材してみると、動物の足跡が見つかりました。
クマの生態を研究する秋田県立大学の星崎和彦教授に確認してもらいました。
秋田県立大学・星崎和彦教授:映像を見た限り、しっかりした爪があるのでクマだと思う。
冬眠しているはずの時期になぜ、クマが私たちの生活圏に現れるのでしょうか。
秋田県立大学・星崎和彦教授:寝る場所を探して出没しているということが起こりうる。
星崎教授は、クマが市街地で冬眠している可能性があると指摘します。
秋田県立大学・星崎和彦教授:2~3月になると、冬眠から目覚めたクマが出没する。街中への出没もあると、心づもりが必要かなと思います。