発熱・たん・関節の痛みなどの症状…ワクチン接種も40℃の発熱 インフルエンザ猛威、「咳止め」など処方薬が不足【Nスタ解説】

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警報レベルになるほどインフルエンザの感染が爆発的に広がっています。ワクチンを接種したのに、高熱にうなされる人が続出しているようです。
【画像で見る】クリニックに早朝から行列「毎日40人がインフル陽性」
良原安美キャスター:「猛威を振るうインフルエンザのピークはこれから」とひなた在宅クリニック山王の田代和馬院長はいいます。これまでの▼家庭内感染から学校での感染にフェーズが移り、1月中旬~下旬がピークになるのではということです。
ひなた在宅クリニック山王田代和馬院長「学校などでの感染を防ぐのはきわめて難しいため、さらに拡大する可能性がある」
井上貴博キャスター:感染症は毎シーズン流行するのはある程度仕方ないと思いますが、コロナ禍を除くとほぼ毎シーズンで警報レベルが出ていたと記憶しています。それと比べて、今シーズンは突出して多いのでしょうか。
ひなた在宅クリニック山王田代和馬院長:コロナ禍ではインフルエンザのウイルスの数はすごく減っていたので、それが徐々に増えてきて、今年はコロナ禍前の量に戻ってきたかなというような気がします。我々としては懐かしさを感じるというか、こんなに冬忙しかったと思い出しているようなものがあって、ある意味、今年の特徴かなと思います。
オンライン直売所「食べチョク」秋元里奈代表:インフルエンザもそうですし、コロナやマイコプラズマなど、いろんなもので休む従業員もいます。家族内で感染したと、よく聞きます。
ひなた在宅クリニック山王田代和馬院長:我々が診療所で勤務していても、インフルエンザではない、コロナでもない。それ以外のものもいっぱいあります。なかなか正確な診断に至らないことも多いです。
良原キャスター:インフルエンザというと高熱に苦しむイメージがありますが、30代の「Nスタ」スタッフの症例を見ていきます。2024年12月22日に、のどに違和感を覚え、23日朝に39.8度の発熱。病院で検査を受けたところ、「インフルエンザA型」と診断を受けました。「タミフル」や「解熱剤」を服用しましたが、40.2度まで熱が上がりました。その後も24日から26日まで38~39度の熱が続いて、27日の夕方に36度台に下がりました。症状は、発熱、たん、関節の痛みなどがあったということですが、実は11月にワクチンを接種していました。
SNSを見ると、ワクチンを打ったのに高熱に苦しんだという声がたくさんありました。
SNSの声「11月にワクチン打ったのに、40.5度まで熱が上がりました」「ワクチン打ったのに、インフルエンザA型で39度近くの熱」「結局40度近い熱出てるし…ワクチン接種って意味あるのか」
良原キャスター:そもそもワクチンはどういう働きをするものなのでしょうか。ひなた在宅クリニック山王の田代和馬院長によると、ワクチンを接種すると、細胞へのウイルスの侵入を防ぐ「抗体」ができます。そして、ウイルスの増殖を抑える「免疫システム」もできます。2段階で防御するイメージです。感染を防ぐというわけではなく、脳炎や肺炎など重症化を防ぐことが期待できるものになります。
ワクチンを打っていても、高熱が出るのは免疫システムが働いているからだそうです。
ひなた在宅クリニック山王田代和馬院長「ワクチンを接種していても、侵入したウイルス量が多い場合などは、高熱が出ることもある」
井上キャスター:ワクチンはあくまでも重症化予防で、打つ・打たないは個人の判断によりますが、「40度くらいの高熱に収まった」と考えることができるわけですか。ワクチンを打っていなかったら、もっと重症化するリスクがあったと?
ひなた在宅クリニック山王田代和馬院長:ある意味、熱の高さより、インフルエンザウイルスと戦えていること、免疫応答を起こせているということなんですよね。症状は人によっても様々で、軽い倦怠感で済む人もいれば、高熱が出てしまう人もいます。ただ、それがワクチンを打った意味がなかったというわけではなく、ある意味で40度出たけれども、「それ以上重症化することを防げた」と捉えていただくといいかなと思います。
ホラン千秋キャスター:時間を作って、痛い思いをしてワクチンを接種したのに、それでも罹ったら、ちょっと損した気分になる人もいるかもしれません。ただ、もっとひどくなっていた可能性があるかもしれないと思うと、意味はあるわけですよね。
オンライン直売所「食べチョク」秋元里奈代表:病院に行く判断も難しいと思います。例えば、微熱のときは、判断が難しい気がしているのですが、病院に行く目安みたいなものはありますか。
ひなた在宅クリニック山王田代和馬院長:実は、インフルエンザのシーズンに熱が出たからといって、全員受診した方がいいという情報発信はしていません。ある程度、健康な若い人で、発熱があっても、食事がとれて、水も飲めて、意識もしっかりしているということであれば、様子を見ていただくというのも一つの手ではあります。とはいえ、不安になると思います。体調があまりにもしんどく、という場合に病院にかかるのは仕方がないかなと思います。寒い中、すごく無理をしてまで、全員が病院に行けばいいというわけでもないと思います。
ホランキャスター:病院に行って、別の感染症などに罹ってしまう可能性もありますよね。
ひなた在宅クリニック山王田代和馬院長:本当にこの時期はよくあって、風邪で受診をして良くなったけれども、その後また熱が出てきて、調べたらインフルエンザだったという人もいます。
良原キャスター:インフルエンザはこれからピークを迎えると言われていますが、薬は足りているのでしょうか。ひなた在宅クリニック山王の田代和馬院長によると、▼治療薬「タミフル」は足りているそうです。▼「咳止め」「解熱剤」など処方薬は不足が続くということです。
ひなた在宅クリニック山王田代和馬院長:なかなか十分に薬が用意できないこともあるので、やはり感染しないようにしていただく、感染してしまった場合は安静にするなど、基本的なことが大切になってくると思います。
井上キャスター:熱が出た場合、基本的に市販薬を飲んでしのぐのはいいのでしょうか。
ひなた在宅クリニック山王田代和馬院長:基礎疾患があまりない人や、症状がそんなに重くなければ、市販の総合漢方薬で対応するというのも十分いい一手だと思います。
==========<プロフィール>田代和馬さんひなた在宅クリニック山王院長地域密着型の在宅医療で診療を行う秋元里奈さんオンライン直売所「食べチョク」代表33歳神奈川の農家に生まれる

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