「民意を得て当選したのは大きい」兵庫・斎藤知事は「逃げ切り」の公算高まる

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兵庫県知事選でのSNS運用をめぐって、再選した斎藤元彦知事がPR会社に対して選挙運動の対価として報酬を支払った公職選挙法違反の疑いがあるとする告発が神戸地検と兵庫県警察に受理されたのは2024年12月のこと。検察と警察はその後、どのように捜査を進めていくのだろうか。
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「告発状では、兵庫県知事選で再選した斎藤氏の陣営のSNS運用に関して兵庫・西宮のPR会社社長が戦略の立案を行ったなどとウェブサイトに投稿した内容について、斎藤氏が同社に支払った報酬はインターネットによる選挙運動の対価で公選法違反の『買収』にあたるとしています」
と、担当記者。今回の知事選はSNSの選挙に対する影響力が実証されたので現状を放置すれば公選法の目的を著しく阻害するため告発に至ったとしている。
総務省は《一般論としては、業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行う場合には、当該業者は選挙運動の主体であると解されることから、当該業者への報酬の支払いは買収となるおそれが高いと考えられます》としている。
一方、斎藤氏や代理人弁護士は公選法違反を否定。代理人弁護士は「報酬はポスター制作といった法律で認められた業務に対して支払ったものでSNS運用については斎藤事務所などが主体的に行っていて、社長の振る舞いはボランティア」などと会見で述べた。
「PR社長はnoteで行った発信で斎藤氏のSNS戦略の監督者であったと主張しており、それが事実なら総務省の言うような“業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行う”に該当する可能性もありそうです。が、それに対する報酬の支払いがないということなら立件にこぎつけるのは至難の業かと。明らかになっている金額以上のやり取りがないのであれば、斎藤氏も現時点で一切の発信を絶っているPR社長も当局の聴取に対して法律の範囲を超えるような供述は控えるはずなので、現時点で立件は難しいのではないかとの見方が割と強いようですね」(同)
一番のハードルはどういった点なのか?
「斎藤氏が民意を得て知事に当選したということが大きいようです。再選に至るまでのゴタゴタも含めると捜査によって県政や県民生活にさらに混乱をきたすことをよしとはしていないということでしょう」(同)
逆に斎藤氏が落選していればどうなったのだろうか?
「それでも表に出ている情報のみだと立件にたどり着くのは難しいのではないかとの見方が強いですね。告発の事実をきっかけにディープスロートなどから斎藤氏絡みの全く別の情報提供があって、それを元に捜査をするという流れはもちろんあり得るとは思いますが。その場合は斎藤氏が当選しているか否かは無関係でしょうね」(同)
斎藤県政の正当性に異議を唱える向きは、そうした情報提供への期待を隠していない。こんな不正を見逃しては、「当選した者勝ち」「逃げ切り』ではないか、という理屈である。
ただし、さらなる県政の混乱を招くことが必至となる事態は、そのままコストに直結する。それを民主主義のための必要経費と受け止めるべきなのかは見解の大きく分かれるところといえそうだ。
捜査当局の“本音”については、【関連記事「何でもかんでも捜査してられない」 斎藤知事刑事告発で聞こえてきた捜査当局のホンネは】でも詳しくお伝えしている。
デイリー新潮編集部

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