「事実上の“分裂状態”にある」瑶子さま(41)はご不満、信子さま(69)は異例の独立も…? 三笠宮家はとうなるのか《百合子さま薨去》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

18歳で皇室の一員に。結婚祝いの晩餐会は真珠湾攻撃の前夜だった。東京大空襲で宮邸は全焼–。
【画像】「宮邸に住まずに、2人とも勝手」ご不満を抱えられているという瑶子さま
大正から令和まで、4つの時代を生き抜いた三笠宮家の百合子さまが、11月15日、老衰のため薨去された。享年101。
穏やかに息を引き取られたという百合子さま
◆ ◆ ◆
1923年に旧華族の高木正得(まさなり)氏の次女として生まれ、三笠宮崇仁さまと結婚。5人の子どもに恵まれたが、高円宮、仁さま、桂宮という3人のお子さまを相次いで見送る悲劇にも見舞われた。2016年、75年間連れ添った三笠宮が薨去され、三笠宮家の当主を引き継がれていた。
百合子さまが名誉総裁を務めた民族衣裳文化普及協会で交流を深めてきた水島博子さん(85)が明かす。
「最後にお目にかかったのは、昨年6月にホテルオークラで行われた、百合子さま100歳のお祝いの集まりでした。百合子さまは車いすでのご登場でしたが、毅然としたご様子と、すっと通るお声が印象的で、お元気そうでした。骨折で来られなかった夫の体調を気遣うお声がけもいただきました。訃報に触れた際は、悲しみ以上にご縁への感謝の想いが溢れ、涙が止まりませんでした」
悲しみに包まれる三笠宮家。百合子さまという精神的支柱を喪ったことに加え、大きな難題にも直面しているという。
「実は今、三笠宮家は事実上の“分裂状態”にあるのです」(宮内庁関係者)
仁親王妃である信子さまは04年以降、寛仁親王邸(現・三笠宮東邸)から距離を置き、現在、赤坂御用地外の旧宮内庁長官公邸に住まわれている。

「別居は夫婦仲の悪化によるものとされ、仁さまによるDVが原因とも報じられました。12年の仁さまの葬儀にも参加されませんでした」(同前)
長女の彬子さまは「文藝春秋」(15年7月号)の手記で〈長年に亙る父と母との確執〉に触れ、こう明かされている。
〈私自身も10年以上きちんと母と話をすることができていない〉

それだけではない。彬子さまと妹の瑶子さまの間にも溝が生まれているのだ。
「彬子さまは京都産業大学で特別教授を務めておられ、京都と東京を行ったり来たりの生活。京都にマンションもお持ちです。彬子さまがご不在の間、宮邸内の差配は瑶子さまが担われる。瑶子さまはそれに不満を抱えておられるのです」(三笠宮家関係者)
瑶子さまは、母と姉について、周囲にこう漏らしておられるという。
「宮邸に住まずに、2人とも勝手」

そんな三笠宮家が抱える難題とは、当主選びだ。当主については皇室典範などに定めがなく、各宮家に委ねられる。皇室の慣例に倣えば、三笠宮家の長男・寛仁さまの妃である信子さまが当主を務められるのが自然だが、
「彬子さまや瑶子さまが、宮邸を出たお母さまを当主として迎えるとは考えづらい。かといって彬子さまが当主となれば、お母さまを差し置いて娘が家を継ぐことになる。非常に難しい局面なのです」(前出・三笠宮家関係者)
実際、寛仁さま薨去にあたっては、寛仁親王家の当主選びに約1年の月日が費やされた。この時も、慣例に倣えば信子さまが寛仁親王家を継ぐのが定石だったが、「百合子さまも含めた三笠宮家の方々が全員反対された」(同前)こともあり、三笠宮家に信子さま、彬子さま、瑶子さまが合流されるという異例の決着を見た。
今回はどうなるのか。名古屋大学大学院の河西秀哉准教授はこう見通す。
「百合子さまの葬儀をめぐり、本葬に当たる『斂葬の儀』の喪主を務められるのは彬子さまです。そう考えると、彬子さまが三笠宮家の当主となられるのではないでしょうか」
一方、皇室解説者の山下晋司氏はこう指摘する。
「彬子女王殿下が当主になった場合、信子妃殿下は世帯構成員になります。その場合、皇族方に毎年支給される皇族費は、彬子女王殿下より信子妃殿下の方が高くなります。法的な問題はありませんが、やはり歪な印象は拭えません」
そこで浮上するのが、お三方が全員独立されるという方策だという。
「現行法では、皇室経済会議で認められれば、未婚の内親王、女王も独立した生計を営むことが可能です。独立した生計を営む、すなわち宮家の当主になるということですが、お三方がそれぞれ宮家の当主になることが可能だということです。たとえば、彬子女王殿下が三笠宮家の当主に、信子妃殿下は仁親王家の当主に。さらに瑶子女王殿下も『瑶子女王家』の当主になる。そういう可能性もあると思っています」
当主となって変化するのは皇族費だ。皇室経済法や同施行法の規定によれば、現在の信子さまの皇族費は1525万円。しかし、当主となれば3050万円となる。彬子さま、瑶子さまが当主となれば、皇族費は現在の640万5000円から1067万5000円となる計算だ。

これに対し、ベテラン皇室記者はこう語る。
「お三方がそれぞれ『家』を名乗られると、事実上の女性宮家創設と見られ、世論の反発が予想されます。瑶子さま、信子さまも独立した生計を営まれながら、彬子さまを当主とする三笠宮家に所属されるのがベストなのでは」
専門家の間でも意見の割れる三笠宮家の当主選び。穏やかな決着を祈りたい。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年11月28日号)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。