「PR会社側にSNS戦略の依頼や広報全般を任せてはいない」。知事選でのSNS戦略をめぐり浮上している公職選挙法違反の疑惑について、27日夕方、斎藤元彦兵庫県知事の代理人が会見した。
代理人弁護士の会見の1時間半前、再選後初となる定例会見に臨んだ斎藤知事。
――公選法違反にはあたらないという認識だというご説明をされてきましたが、その根拠というのは一体何なんでしょうか。斎藤知事:公選法に抵触するようなことは、私としてはないというふうに認識しています。事実関係は今、代理人の弁護士の方に対応をお願いしています。
あくまでも代理人が説明や対応すると繰り返した斎藤知事だったが、そんな中で明確に触れた部分があった。
それは、SNS運用に携わったとされるPR会社の代表が、選挙戦の裏側についてネットやコラムに投稿した件についてだった。
「今回広報全般を任せていただいた立場として、まとめを残しておきたいと思います」と、SNS戦略における多岐にわたる監修を仕事として請け負ったことを示唆するかのような内容だったが、投稿することをPR会社の代表から事前に聞いていたのか質問されると、斎藤知事はこう答えた。
――投稿は事前に聞いていた?斎藤知事:一つ言えるのは、事前に私は一切見てもいませんし、そういった発信をするということも聞いていないですし、内容自体も一切確認をしてない。発信された後にしたということですね。
――迷惑?知事の気持ちは?斎藤知事:そこに対する若干の戸惑いはありますね。
SNS戦略を主体的に担っていたのは、どちらだったのか。
PR会社側と斎藤知事側の見解が食い違うように見える中、27日午後4時半から斎藤知事側の代理人弁護士が説明会見を行った。
代理人はまず、斎藤知事がPR会社を訪れたのが知事失職前日の9月29日とした上で、その翌日以降、斎藤氏側に見積書が届いたことを明らかにした。
斎藤知事の代理人 奥見司弁護士:現時点で私の手元にはありませんが、見積書には今回、実際に注文するに至ったポスターデザイン制作などの他に、YouTube用動画撮影などの項目があったとのことです。しかし、(PR会社代表の)noteに記載されているような、広報全般をPR会社に依頼するとか、SNS戦略の策定などの項目はなく、いずれも制作物の提案であったとのことです。
さらにこの会見では、公職選挙法で禁じられる「特定寄付」に関する見解も明らかにされた。PR会社の代表は、3年前から兵庫県の3つの有識者会議に委員として出席し、報酬が支払われていたことが判明している。
そして、選挙が終わった後のSNSで「また兵庫県のために一緒にお仕事ができることを楽しみにしています」と投稿していた。
こうした経緯もあり、法律で禁じられている「特別の利益を伴う契約の当事者の寄付」に当たるのではという指摘が一部から上がっている。これについて、代理人弁護士は次のように述べ、公職選挙法違反に当たらないと説明した。
斎藤知事の代理人 奥見司弁護士:県と委員との関係は委任契約であり、兵庫県から支払われた謝金は3年で約15万円とのことです。社長(PR会社代表)と県との委任契約が「特別の利益を伴う契約」と評価することはできないと考えます。
こうした中で鍵を握るのが、PR会社代表側の見解だ。
しかし、渦中の代表は取材に応じることもなく、“雲隠れ”とも取られかねない状況が続いている。
(「イット!」11月27日放送より)