服を着たままの犬や猫の遺体が《100匹以上山積み》に…埼玉県のペット葬儀業者が隠していた「ヤバすぎる現場」

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故人との最後の別れを告げる神聖な場所のイメージが強い、火葬場。しかし過去には、驚くべき事件が多数起こっている。
元火葬場職員である下駄華緒氏の『火葬場事件簿 一級火葬技士が語る忘れ去られた黒歴史』は、そんな火葬場にまつわる全国各地の事件を丹念に調査した話題の書籍だ。
同書より、ペットの供養や火葬に関する事件の詳細を一部抜粋して紹介する。
犬や猫を飼っている人なら知っていると思うが、いまはペットもきちんと弔ったあと火葬される時代だ。家族として大事にされていたペット、きちんと供養してあげたいのは飼い主として当然の思いだろう。
だが、このペットの供養をめぐって、周辺住民とトラブルが各地で起きている。いったい何が起こっているのか、紹介していこう。
愛知県のとあるお寺では、境内に動物霊園が設けられていた。ここでは葬儀、火葬と、人間を弔う場合と変わらない葬祭をおこなうことができるとして人気だ。ペット火葬場や納骨堂も境内にあり、一定の額のお布施で供養してもらえる。
ここのお寺に平成13年(2001)国税局による税務調査が入った。
その理由は「ペットの供養は人間とは違い、宗教活動には当たらない。動物の納骨施設に保管することで得た納骨料は、倉庫業としての収益事業に該当する。火葬や供養のために徴収した料金も含めて申告しなければならない」ということらしい。
つまり、人間の供養は非課税の宗教活動だが、ペットは物だから税金を払うべしというわけだ。
ペットは家族の一員。飼い主からすれば自分の子どもと同じくらいの存在だ。それを倉庫の荷物のように扱われるなんて、なんとも納得できない話ではある。
ペットブームで飼う人が増えたことと比例して、こうしたペット葬儀・供養ができる場所は近年増えている。
それにともなってペット火葬場も多くなっており、その数全国で2000カ所以上にものぼるらしい。
じつはこのペット火葬場をめぐっては各地でトラブルが起きていた。
東京都板橋区では平成17年(2009)ペット火葬場が住宅地の真ん中に建つことになり、周辺住民による反対運動が起きていた。
人間用の火葬場は建てる際、法律で一定の制限を受ける。たとえば、人家や公園、学校、病院などから220メートル以上離れていて、かつその周囲に高さ1.8メートル以上の塀を設けたり、または柵や樹木で仕切ったりしなければならない。
しかし当時、ペット火葬場にはこうした制限がなかった。厳密にいえば、区では以前にも同様の計画があったとき、火葬場を住宅街から50メートル離すルールを設けていた。しかし、今回の火葬場はその条例が運用される前から手続きを進めていた業者であり、条例が適用されない。
そのため住宅地の真ん中に建てるという計画になったのだ。
そして反対運動を展開する周辺住民は、炉の使用差し止めを求めた仮処分を東京地裁に申請した。
人間じゃない、犬猫用なんだからいいじゃないか。そんなことを思う方もいるかもしれないが、関係者からすればそうもいかない。
この問題の火葬場の隣には高齢者介護施設があり、煙による健康被害の問題が指摘された。専門家の調査結果によると、環境基準値を超える硫黄酸化物などが排出され、健康被害が出る可能性があるらしい。
結局、これを受けて東京地裁は住民側の申し立てを認め、火葬炉の使用禁止を下した。
ペット供養問題を扱ってきたが、最後に供養とは名ばかりの、悪徳ペット業者によるひどい事例を紹介したい。
平成22年(2010)3月、埼玉県飯能(はんのう)市にある車道沿いの山林で、動物の死骸が大量に遺棄されているのが見つかった。
捜査の結果、動物たちは100匹以上の犬と猫だった。犬のなかには純血種もいたほか、洋服を着せられたり、おむつをつけたりしていた子もいたため、ペットだったことがわかった。
しかし、個体識別用のマイクロチップや首輪はまったく見つからなかった。おそらく証拠隠滅のために外されたのだろう。
また、犬の遺体に金の折り鶴が添えられていたことから、ペット葬儀業者が不法投棄した可能性が指摘された。
警察による捜査の結果、ついに犯人がつかまった。
つづく記事〈100匹以上のペットの遺体をゴミのように捨て続け…埼玉県のペット葬儀業者が飼い主についていた「おぞましい嘘」〉では、犯人の驚きの正体と非道な手口が明らかになります。
「100匹以上のペットの遺体」をゴミのように捨て続け…埼玉県のペット葬儀業者が飼い主についていた「おぞましい嘘」

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