同性愛への偏見に苦しみ続けた男性が亡くなりました。95歳でした。 11月10日、心不全のため亡くなった長谷忠さん。95歳でした。自宅でひとりで亡くなっているのを訪問したヘルパーが見つけました。 大阪市西成区に住む長谷さんは、男性同性愛者で結婚をしたことも交際した経験もありません。日本では、1990年代まで同性愛は治療可能な精神疾患とされ、長谷さんは人生の大半を差別や偏見に耐えながら孤独に生きてきました。
そうした人生は、ドキュメンタリー映画『94歳のゲイ』に描かれ、今年、全国で公開されました。95歳で初めて上京した長谷さんは、レインボープライドのパレードにも参加。同性婚の実現を目指すグループと共に、虹色の旗を掲げながら車椅子で行進しました。 (長谷忠さん)「こんなん初めて知ったよ。びっくりしたわ。ゲイの人がこんなにたくさんいるとは知らなかった」 最近は大学の授業にも招かれ、若い世代に多様性を認め合う大切さを伝えてきました。 (長谷忠さん)「男と男の恋愛、女と女の恋愛というのも少しも恥ずかしいことはないで」 (長谷忠さん)「(Q今の時代に長谷さんが生まれていたら、生き方はどう変わった?)好きな男がいたら結婚するわよ。結婚して周囲が認めなくても2人の生活をやったら楽しいやんか」 晩年はゲイであることを周囲に明かしていた長谷さん。葬儀には、通っていた紙芝居劇団の仲間や90代で出会ったゲイの友人が参列しました。 (長谷さんの友人 ボーン・クロイドさん(65))「何か行動しないと人生って変わらないんだよということを教えてくれている。先を行くロールモデルなんだろうなと思います」 後日、お別れの会も開かれる予定です。