「こっち向けやオラア」痴漢・盗撮男を追う10人の浪速ギャル、警察に連行もまさかの結果に…どうすれば立件できる?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

11月1日、街中での痴漢・盗撮被害を訴えた女性のSNSの投稿が大きな注目を集めた。友人たちと遊んでいたところ、突如、白昼堂々と被害に遭ったという。
【画像】痴漢・盗撮男を追いかけるギャルたち
事件があったのは、大阪府大阪市中央区の宗右衛門町、御堂筋のあたり。当時、20代女性のユミさん(仮名)が、ギャル仲間の友人ら10人ほどで集まり、遊ぶ店を予約していたところに、見知らぬ中年男性が近寄ってきたという。
男性はユミさんの友人の一人のスカートの中にカメラを入れて撮影し、さらに撮影後にはそのまま触ってきた。そのとき、友人の一人が「盗撮!」と叫ぶと、男性は走って数分間逃走。それをユミさんら10人ほどで追いかけることになった。
そのときの動画がXに投稿されているが、早歩きする白髪交じりの男性を、若い女性らが追走。男性は声をかけられても無視を続けてひたすら歩くが、そのうち、腕や服をつかまれて「お前待てって」などと注意されると歩くのをやめた。
その後、ユミさんらが「こっち向けやオラア」「警察呼んで!」「早く(カメラ)出せって!」などと話しているところで、動画は途切れている。
そのあと、どんなことがあったのだろうか。ユミさんが取材に答えてくれた。
「まず、盗撮されて男性を走って追いかけている間ですが、周りはこちらを野次馬のように興味深そうに見るだけで、誰も助けてはくれませんでした。追いついてからはカメラを取り上げ、警察だが警備員が近くにいたので、その人にその場で状況説明をしました。
その間、相手はほとんど何もしゃべろうとしませんでしたが、警察を呼ぼうとしたときは、『いくら払えばいい? 数十万円なら払える』『でも今はコンビニでお金をおろせない』とだけ言ってきました」(ユミさん、以下同)
この後、男性の身柄を警察に引き渡したユミさんたちだが、その後、男性を釈放された。
「後日、待っていても警察から電話がかかってこないので、お母さんが代わりに警察に電話をかけてくれて、どうなっているのか事情を聴いてくれました。すると警察は、男が『もう示談金払った』『カメラは僕のものじゃない』と言っていたので、家に帰したというのです。
犯人は警察に対して、『コンビニのATMに連れて行かれた』とも言っていたみたいですが、私たちは一切そのようなことはしていません。これは道路や建物のカメラを確認したらわかることです」
SNSでは今回の痴漢騒動に対して、
〈カメラ持ってる証拠あっても加害者側の「示談金払いました」で解放されるのおかしすぎる〉〈まじで尊敬する。ギャルズ絶対にこの性犯罪者を逃がさないで。それにしても警察は使えねえな〉〈ここまでやって警察に連れてってもダメなんだから終わってるよ本当に〉〈被害者が取り押さえて警察連れてっても警察が無能すぎて死んだ、性犯罪軽視されすぎ〉
なぜこの痴漢騒ぎは起きたのだろうか。防犯アドバイザーの京師美佳さんに、警察の対応について見解を聞いてみた。
「今回被害者の女性が被害に遭われた際にご友人などとともに、現行犯逮捕(私人逮捕)しました。そして警察に引き渡したにも関わず、示談が成立したという証言を信じて釈放してしまったというのは、これが事実であれば警察の怠慢であり、許されない事実であります。
痴漢や盗撮被害に関しては、示談が成立して不起訴になる場合も多く警察もいつものことかと疑わなかったのが一番の問題点かと感じます。
今回は、盗撮されて触られたということですので、撮影罪や迷惑防止条例違反もしくは不同意わいせつ罪で罰せられるべき犯罪行為です。今後、被害者の方が弁護士などを通じて警察に抗議と再捜査を要求されるのがいいかと思います」
その一方で、痴漢の被害者の多くが泣き寝入りしているという事実もある。立件するにはどれくらいの証拠が必要なのか。また、今回のケースはどのようなパターンだと考えられるのか。
「盗撮であれば相手のスマホに映像があるなど、痴漢であれば周りに目撃者がいた、痴漢の手に被害者の衣服の繊維が付着していたなどの物証が必要となってきます。時間が経てば経つほど曖昧になり、また証拠隠滅なども含めて立証が困難になります。
ただ今回は、加害者が『示談金を払った』などと自身が犯行を行ったことを認める証言をしておりますので、立証は可能かと思います。再捜査を要求し、民事でも慰謝料や損害賠償請求をされることも可能です。撮影罪が新設されて盗撮の罪も重くなりましたが、それでも再犯を止めるほどの効果はありません。
被害者が増えないように、今回の女性の方にはぜひ、警察に再捜査を求めていただきたいです」
立証が難しいといわれる痴漢・盗撮事件。もし犯行現場に立ち会ったとしたら根気強く罪と立ち向かう必要がありそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。