「自民党の利益のため」石破首相 “豹変解散” で割を食う能登被災者たち…現地では使用できる投票所を「調査中」の大混乱

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自民党新総裁となった石破茂氏
「国会の首班指名で総理大臣に選出されれば、ただちに組閣をおこない、新政権はできるかぎり早期に国民の審判を受けることが重要である。諸条件が整えば、10月27日に解散・総選挙をおこないたい」
9月30日、党4役人事後の記者会見でこのように語った石破茂新総裁。
総裁選では「国民に判断していただける材料を提供するのが政府の責任、新しい首相の責任だ。本当のやりとりは予算委員会だと思う」と国会での論戦をしたのち、11月の解散総選挙を視野に入れていた石破氏の、突然の変心である。
この発言が伝わると、Xでは「豹変」がトレンド入りするなど、国民の間に大きな波紋を広げた。
「10月解散は森山裕幹事長の進言だと聞いています。予算委員会をやったら、野党は裏金と旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)問題を集中質問します。
新入閣の大臣も多く、質疑で立ち往生することが予想される。今回の “豹変解散” は、そのリスクを避けるためです。まさに党内事情による解散総選挙ですよ」(自民党担当記者)
こうした「ご都合主義」の解散総選挙に困惑しているのが、1月1日の地震に続き、9月21日に豪雨災害に見舞われた能登で生活する人々だ。
朝日新聞は、9月30日、今回の豪雨災害で《13人の死亡が確認され、住宅被害の件数はいまだ「調査中」。28カ所に453人が避難しているほか、地震による避難者も249人いる》と報じている。災害は現在進行中だ。
そうしたなかでの衆院選挙。これまで投票所として使っていた学校や公共施設は軒並み被災しているため、投票所の確保もままならない。
県の選挙管理委員会に聞くと、「昨年4月の県議選では426カ所の投票所が開設されました。国政選挙でも、ほぼ同じです。今回の災害で、どの程度の投票所が使えるか調査・確認中ですが、投票所の統廃合という可能性もあります」と困惑する。
そして、投票立会人、開票立会人などの人手が足りないことも容易に想像できる。
立憲民主党はじめ野党各党は「新内閣が発足したら、復旧・復興に必要な補正予算を成立させるべき」と主張するが、そうした時間はなさそうだ。
この石川県民不在の政治に、Xでは《地方創生と言いながら 能登は放っておいて解散総選挙》《能登被災地を無視して自民党の利益のためだけに解散総選挙を行う石破茂》《悔しい 能登がこんなに大変なのに解散総選挙》など激憤の声がポストされていた。
自民党総裁選の決選投票で石破氏は「日本を守りたい、国民を守りたい、地方を守りたい」と語ったが、それは本心だったのか――。

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