建物の白い外壁に入る大きな亀裂、大きなひびが至る所に入り今にも崩れそうです。窓枠もゆがみ、極めて危険な状況と言わざるを得ません。
さらに付近の道路は、アスファルトが隆起した状態であることが分かります。
26日午前9時前、広島市西区の市道で「道路が陥没している」と通報がありました。
陥没は、長さ約40メートル・幅15メートルに及び、その影響で周辺の建物が傾きました。
周辺では、傾いた建物が倒壊する恐れがあることから警察が避難を呼びかけた一方、一時、人が閉じ込められる事態も発生。
道路の陥没に伴い、周辺の建物が傾くという緊急事態。そのとき何が起きたのか、通報した女性は「最初はもう交差点が、コンクリートが盛り上がって危ない、車が腹をこするとかいう感じで、すぐ通報した。その間にも全部コンクリートが膨らんできて」と話し、地面の隆起に続き、みるみるうちに水があふれ出したといいます。
そして、聞こえてきたのが建物がきしむ音でした。
通報した女性は「うちの工場もちょっとメキメキとか、壁にヒビが入ったりとかして、もう即避難してくださいということで」と話しました。
広島市によりますと、傾きや壁のひび割れは少なくとも8棟の建物に及んでいるということです。
実際に傾いた建物内にいた人が撮影した写真では、道路のアスファルトが波打つように隆起。
当時、ミシミシという音とともに建物が傾き、中にはドアが開かなくなった部屋もあったことから、バールでこじ開けたといいます。
外に出ると道路が川のように冠水していました。また、道路が隆起した影響で、車3台が事故を起こしました。
周辺住民の避難はその後も続いていて、市は近くの小学校を避難先に設定。午後1時の時点で、19世帯44人が避難しています。
避難住民:びっくりします。別に雨降ったわけでもないしね。
広島市水道局によりますと、付近の地下30メートル地点で行われていた下水道工事の影響で陥没した可能性が極めて高いということです。
当時、行われていたのはシールドマシンを使っての掘削工事でした。
広島市の担当者:水が非常に出てきたということが確認されました。それとほぼ同時期に地上部分の方で道路が陥没した。
下水道工事が原因とみられる道路の陥没。
地盤システム研究所・近久博志さんは「小さく穴が開いたところからどんどん広がっていくイメージがあったが、今回は一気に(範囲が)広がっているので、規模が大きいなと感じた。ここまで広がっているということは下に大きな空洞があるんじゃないか。沈下の場所が広がらないように早く埋めた方がいい」とみています。
陥没から約9時間。周辺住民は不安な夜を迎えようとしています。