紅葉の「いろは坂」でホンダのハイブリッド車にトラブル頻発 原因は旧システム、中古車、レンタカーは確認を

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紅葉の季節を迎えた日光・いろは坂(写真・時事通信)
紅葉シーズンまっただ中の10月30日、栃木県・日光の名所「いろは坂」で、ホンダ製のハイブリッド車ばかりが何台もトラブルを起こして停車していると、SNSで話題になった。
《いろは坂の渋滞、5台くらい故障して止まってんだけど、みんな一世代前のホンダのハイブリッド笑笑》
《今日9時半からいろは坂登ったら安定の渋滞だったんだけど 途中10台ぐらい故障車がいてほぼホンダのヴェゼルだった》
《今日いろは坂登ってたら道路の真ん中でボンネット開けて停まってる車が沢山いたのよ。5台くらい居たかな。みんなホンダの車だったのが不思議 ヴェゼルとフィットだったかな》
なぜこのようなことが起きたのか。モータージャーナリストの佐藤篤司氏に話を聞いた。
「SNSの投稿を見ましたが、たしかにこれは、ホンダの一世代前の『i-DCD』というハイブリッドシステムを搭載した車のトラブルと考えていいと思います。故障というわけではありません。
この日のいろは坂は、紅葉の見ごろの週末でかなり渋滞していたようです。『i-DCD』は、登り坂で渋滞になると、十分な発電ができなくなり、エンジンを使うことになります。ただ、登り坂なので『半クラッチ』の状態が長くなり、クラッチ板が焼きついてしまうのです。このようなトラブルが発生する確率が高いことは、ホンダも把握しており、オーナーは購入時にその説明を受けているはずで、取扱説明書にも明記されています。
とはいえ、ほとんどの方はそういう説明を覚えていないでしょうし、説明書を読む人も少ないはずです。しばらく車を止めて、トランスミッションの温度が下がれば、問題なく運転できます」
いろは坂でのトラブルについて、ホンダは把握しているのだろうか。
「もちろん、SNSやそれに関する記事については把握しております。トランスミッションが高温になり、警告のメッセージが出たことで、車を止められたものと思います」(本田技研工業広報部)
現在のフィットやヴェゼルでは、新しいハイブリッドシステムにモデルチェンジしている。
「ただし、中古車市場ではまだ旧システムを搭載した車が多く出回っているので、購入時には確認しましょう。もちろん、カーシェアやレンタカーでも同じことです」(前出・佐藤氏)
せっかくのレジャーも車のトラブルで台なしになることも。安全運転だけでなく、運転する車そのものにも意識を向けたほうがよさそうだ。

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