自民党安倍派の衛藤征士郎元衆院副議長は27日、記者団の取材に応じ、党総裁選挙への出馬を表明した河野太郎デジタル相が、派閥の裏金事件に関し、該当議員に政治資金収支報告書への不記載額の返還を求める案を示したことについて、「理解できない」などと猛反発した。
衛藤氏は、政治資金収支報告書に不記載のあったパーティー券収入は、議員独自の努力で販売したもので、記載があれば問題のなかった政治資金だと指摘し、「それ返せという考えは、我々としては理解できない。あまりにも唐突なご発言だとみんな思うんじゃないか。河野さんから説明してもらわないと」と強調した。
一方、二階派幹部の武田元総務相も「一時不再理という言葉があるように、党紀委員会に諮って処分が決定された。その上でもう一回、新しい組織にかけて何とかということに関しては私はやるべきではないと考えている」と河野氏の発言を批判した。
武田氏は「党紀委員会が決したことに対しての疑いを持つ形になる。皆さん社会的制裁もかなり加わってきたし、ここを教訓にしてしっかりと国民有権者に対してお詫びをして、その教訓を胸に抱きつつも、とにかく次なる時代への党とか国家をどう考えていくかということにシフトしなければいけない。ずっとこの問題をやっていれば国益になるかといえば私はそうは思わない」と述べた。