ハロウィン 仮装で赤十字マークの使用は「×」 日本赤十字社がツイッターで注意喚起

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10月31日のハロウィンに仮装して繁華街などへ繰り出す人が増えることをふまえ、日本赤十字社は仮装の際に「赤十字マーク」を使用しないよう注意を呼びかけている。
ツイッターの公式アカウントでは「赤十字マークは、基本的に法律で定められた組織しか使うことができない」などとツイート。多くのコメントが書き込まれるなど反響を呼んでいる。
Tシャツやトレーナーでの使用もNG
ハロウィン本番を控えた30日、日本赤十字社はツイッターで「コスプレのナース服、薬箱、病院のイラスト。街で見かける赤十字マークの多くは、誤った使われ方をしています」などと投稿。ハッシュタグで「拡散希望」と付けたところ、1日で1万2000を超えるリツイートがあった。リプライ(返信)では「(赤十字マークの誤った使用を)知らなかった」「衣服をつくるコスプレ業者に注意喚起すべきだ」などさまざまなコメントが寄せられた。
日本赤十字社のホームページ(HP)では、赤十字マークを使用できない例として、?病院や診療所(赤十字病院を除く) ?薬局 ?市販のTシャツ、トレーナー、バッグ―などを紹介。赤十字マークに類似したマークとしては、?赤色系統の色を使用した十字マーク(背景は完全な白色ではなくても白色系統であれば類似)?十字が傾いていたり、長さや形状を変えて図案化されたもの―をイラスト付きで明示している。
違反は「6月以下の懲役または30万円以下の罰金」
国際赤十字社は、1859年のイタリア統一戦争で負傷者を中立的に救護したスイス人のアンリー・デュナンの活動をきっかけに、1863年にスイスのジュネーブで結成された「五人委員会」が前身。現在は世界192の国と地域に広がるネットワークを生かして活動している。赤十字マークは、スイスに敬意を表するためスイス国旗の配色を反転させてデザインされた。ただ、イスラム教徒が多い国々では、十字のデザインがキリスト教を連想させるため、代わりに「赤新月」のマークを使用している。
赤十字マークの誤った使用が増えている現状をふまえ、日本赤十字社は今月5日、「赤十字マークの意義と使用について」とする文書を公表。赤十字マークについて「戦争や紛争などで傷ついた人々と、その人たちを救護する軍の衛生部隊や赤十字の救護員・施設等を攻撃から守るために使用(表示)するマーク」と定めていることを紹介し、紛争地域などで赤十字マークを掲げている病院や救護員などに攻撃を加えてはいけないことを明記したジュネーブ条約についても触れている。
また、赤十字マークの使用については「赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律」に定められており、違反した場合には「6月以下の懲役または30万円以下の罰金」を科せられる。商標法(第4条)でも赤十字マークについての規定が明記されている。
今回のツイートについて、日本赤十字社は産経新聞の取材に「赤十字マークの誤った使用に関する問い合わせが増加しており、いま一度、同マークの本来の意義をお伝えする投稿をした」としている。(浅野英介)

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