「で、結局あの人は何がしたいの?」番組共演者が明かす、石丸伸二氏に覚えた「強烈な虚しさ」

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石丸伸二氏(41歳)は、良くも悪くも、いまや時の人だ。
都知事選では得票数2位と大躍進。しかしそこから一転、各メディアが実施した敗戦後のインタビューが物議を醸した。質問を質問で返す、枝葉末節を気にしてなかなか質問に答えない――いわゆる“石丸構文”を連発したのだ。
そんな石丸氏の言動は、選挙が終わったいまでも健在だ。
7月14日放送の『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)に出演した際の発言が波紋を呼んでいる。
発端は「いま一番危惧しているのは人口減少」と語る、石丸氏へのシンプルな質問だった。この日共演していた元参院議員の田嶋陽子氏が「どういう具体的なことを考えていらっしゃいますか?」と問うた。
すると、石丸氏は「究極的にはですよ」と前置きをした上で、
「例えば一夫多妻制を導入するとか、遺伝子的に子どもを生み出すとかです」
と答えたのだ。
驚きの内容に騒然となるスタジオ。続けて石丸氏はこう語った。
「SFのお話に聞こえるかもしれないんですが、そこまでやらないと人口減少は止まらないんです。ただ今どう考えても無理です。それをやろうと思ってないですよ。社会が変わるには100年、200年、日本だったらあと300年かかるかもしれない。
なので300年間もたせるために少しでも人口減少のペースを緩やかにし、少ない人口でも国際的な地位を失わないようなシステムを作っていく」
一夫多妻による人口への影響については、関連記事『石丸氏の「一夫多妻」発言はマレー系イスラム教徒からすると…複数の妻を持つムスリムが感じる「違和感」』で疑問が投げかけられているが、この発言を引き出した田嶋氏は何を思ったのか。
本人が次のように語る(以下、「」内は田嶋氏)。
「あのとき、出演者もスタッフも何か言うだろうと思って、私の顔を一斉に見たの。でも何も言わなかった。もうあきれちゃって。もちろん石丸さんが披露したのは極論だっていうのは理解しています。でもね、ちょっと時代に敏感な大人だったら“一夫多妻制”なんて言葉、普通口にしないんじゃない?
なんで男は何人も女を抱えて、子供を産ませていいんだろうね。百歩譲って、多夫多妻制のほうがまだ例として良かったと思う。要するにこの人の頭のなかにジェンダー問題への関心は一切ないんです。
口を開けば、『人口が~』って言っているけど、その半分を占めるのは女性じゃないですか。彼はそこに意識がまったく向いていない。それだけはよく分かりました。SNSという最新のツールは使うけど、考え方は古い男性の価値観そのものですね。
というか、そもそも私は『具体的に』と質問したのに、回答が全然具体的じゃないよね。唯一出てきた例が一夫多妻制と遺伝子操作でしょう? だったら、ここをいろいろな人につつかれてもしょうがないと思うんだけど」
ちなみにその後の番組中、石丸氏は共演者たちから何度も「具体的には?」と問われている。特に厳しく切り込んだのが、元兵庫県明石市長の泉房穂氏だ。
「300年間もたせるために少しでも人口減少のペースを緩やかにし、少ない人口でも国際的な地位を失わないようなシステムを作っていく」と持論を展開した石丸氏に対して、「どうしたらそうなるんですか?」とツッコんだ。
「東京都が吸い続けている人口を止めるべきだと思う」といった曖昧な答えが返ってくると、「どう止めはるんです、具体的に?」「何をしはるんですか?」と追及の手を緩めなかった。
「番組では他の共演者たちも手を替え品を替え質問していたけど、具体的な話はついに彼の口から出てこなかったよね。編集でカットされているとか、そういったことも一切ないですから。
結局、都知事選のときと一緒。石丸さんが掲げていた『政治再建』『都市開発』『産業創出』という3つの公約だって、どれも茫漠としていて具体案は何も書かれていなかった。『で、何がしたいの?』って感じだったじゃないですか。
一方で、余裕の当選だった現職の小池(百合子)さんは、ある程度具体的な政策目標を164項目も掲げていて、すでに取り組んでいるものも多かった。これが現職の強みでもあるんだけど、政策の具体性で比べたら小池さんの圧勝だよね。
スタジオでは『本気で勝ちにいきました』と石丸さんは言っていたけど、都政のことなんてこれっぽっちも考えていなかったんじゃないかな。もし本気だったらもっと具体的な政策が出てくるはずじゃない?
そう考えると今回の都知事選は知名度を上げるための地盤作りだったんじゃないの?って勘繰っちゃう。だとしたら間違いなく大成功だよね」
さらに、田嶋氏はいま話題の石丸構文に対しても辛辣だ。
「『構文』だなんて、きっと思いやりのある人が名付けてくれたんでしょう。でもはっきり言っちゃうと、ただ逃げ上手なだけ。相手を馬鹿にしながら議論をズラすっていうのがまた小汚いやり口でね。相手の格を見定めながら、のらりくらりと質問をかわす様子なんて、古い政治家そっくり!」
テレビには映っていない、スタジオの様子はどうだったのか。つづく記事『「彼は日本のトランプになればいいんじゃない?」…番組共演者が語った、石丸伸二氏の「限界」と「可能性」』では、終始手厳しかった田嶋氏が、石丸氏の評価すべき部分、そして今後の期待を明かす。
「彼は“日本のトランプ”になればいいんじゃない?」…番組共演者が語った、石丸伸二氏の「限界」と「可能性」

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