《福岡・12歳女児を路上で襲い不同意性交》「一生キズが残るようにした」八並孝徳被告は「コミュニケーションが上手くないタイプ」「小さい子にもオドオド……」 ボランティアで“地域見守り活動”も

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「一生キズが残りやすいように性行為をした」──昨年11月29日、福岡県に住む男が小学生の女の子に性的暴行を行い、罪に問われていた事件。7月19日、福岡地裁は男に懲役6年6か月の判決を言い渡した。全国紙記者がこの事件について解説する。
【写真】女児の隣で笑みを浮かべる八並被告。本人が記した「ボランティア活動を始めたきっかけ」
「不同意性交等の罪などで懲役を言い渡されたのは福岡県宗像市に住む無職の八並孝徳被告(20)。被告は当時12歳だった登校中の女の子に背後から抱きつき、無理やり性行為をおこなったとして起訴されていました。
2月9日の初公判で検察が代読した女の子の証言によると、被告は逃げようとした彼女の口を押さえ『大声を出したら包丁で殺す』と脅したうえで、そのまま四つん這いにさせて下着を全て脱がし、性行為に及んだといいます。さらに女の子は口の中に精液を出され、それを飲み込むように強要されたこともわかっています」
白昼堂々おこなわれた卑劣な犯行。被告の動機についてさらに続ける。
「初公判で検察が読み上げた供述調書によれば、被告は警察の調べに対して『仕事を辞めて自暴自棄になり、誰かを傷つけたいと思うようになった。殴る蹴るより一生キズが残りやすいように性行為をした』と話したそうです。
この公判では女の子の父親も証言をおこない、『娘は昼でも夜でも1人になることができなくなった。男性に恐怖心を持つようになり、父親とでも2人きりになれない』と娘がトラウマを抱えていることを訴えています」
福岡地裁の今泉裕登裁判長は判決で「人格を踏みにじる卑劣で悪質な犯行」と指摘し、最終的に懲役6年6か月の判決を言い渡したのだった。
卑劣な犯行からは想像し難いが、被告がライフワークとしていたのはボランティア活動だった。宗像市ボランティアセンターが2020年に発行した便りには、被告が活動を始めたきっかけが本人の言葉で書かれていた。
〈小学生の頃、「子どもまつり」実行委員会中高生ボランティアの存在を知り、『まつりを成功させたい』という思いから活動に参加したことが、ボランティアを始めたきっかけです。
現在「子ども食堂」や「九州国立博物館ボランティア」「パトラン(ランニングしながらまちを見守る活動)」に継続的に参加し、単発のボランティア活動もしています。私は「出会う人を笑顔にしたい!」と思い活動をしており、あいさつや自分自身が笑顔でいることを大切にしています〉(原文ママ)
かつて高校時代の被告にボランティア活動を手伝ってもらったことがあるという団体の関係者はこう話した。
「2020年ですかね、その年は数回に分けて仕事を手伝ってもらいました。八並さんはボランティアセンターに名前を登録されていたみたいで、フリーのボランティアとして単発で活動することも多かったのだと思います。当時は地元の農業高校に通われていて、作物とかを扱う仕事に興味があったんじゃないですかね。コーディネーターの方が仲介していましたが、あくまで自主的にやりたいと言って連絡してきたんですよ。
当時の印象としては、真面目で素朴な少年でしたね。10キロも離れた自宅からわざわざ自転車で通う時もありましたし、終わりの時間が来てもひとりだけ残って黙々と作業を続けていたこともありました」
積極的にボランティア活動をしていた一方で、こんな“特徴”もあったという。
「事件のことを度外視しても、周りとコミュニケーションが取れるようなタイプの人間ではないと思います。こちらから話しかけなければそもそも会話にはならないし、積極的に人と関わりたいと思っているようには見えませんでしたね。小さい子どもを前にしてもオドオドしていて……。
学校のお友達の話とかも聞いたことがなかったし、ほとんどいなかったんじゃないかな。今回のような事件を起こしてしまったというのは、少なからず何度か関わったことがある立場としてはショックです」
今回の事件のように性被害者の中にはPTSD(心的外傷後ストレス)などに悩まされ、一生をかけてそのトラウマに向き合わなければならない人も多い。八並被告に告げられた6年6か月という実刑判決は、果たして被害者が心に負った傷に見合ったものだったのだろうか。
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