トランプ氏“再選”なら「円安」「光熱費」「賃上げムード」は?“確トラ”で私たちの暮らしはどうなる?米大統領選【news23】

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トランプ氏の暗殺未遂事件後、大統領選への勢いを掴んでいる共和党。既に“確トラ”=“確実にトランプ氏が勝利する”という声も一部で上がる中、もしトランプ氏が大統領に返り咲いた場合、私たちの「生活」や「止まらない円安」は一体どうなるのでしょうか。
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100%アメリカンビーフにこだわった肉厚のチーズバーガー。
客「Ilikeit美味しい」

東京・東上野にあるアメリカンダイナーの店主・塩田さんが今一番気にしているのが…
アメリカンダイナーアンドラ 塩田龍太郎さん「銃撃事件が起きて、“ほぼトランプさん”と言われている中で、やっぱり為替は気にはします」アメリカンビーフをはじめ、多くの材料を輸入に頼っているというこの店。
アメリカンダイナーアンドラ 塩田龍太郎さん「(牛肉の仕入れは)1キロ1700円くらいだったものが、今2500円くらい。ほぼ倍に近いくらいの値段になっちゃってる」
円安の影響で仕入れ値が上がり、チーズバーガーはおととし1300円だったものを1750円まで値上げしました。
アメリカンダイナーアンドラ 塩田龍太郎さん「仕入れ値が上がったから、すぐに(値段を)上げますってわけにはいかない。耐えられるところは耐えて、耐えられなくなったらお客さんには頭下げながら値上げしましたって言うしかない。そこはもうカツカツ」こうした状況は、大統領選の結果によって変わる可能性はあるのでしょうか?
前日に続き、共和党大会にサプライズ登場したトランプ氏。共和党は銃撃事件後、大統領選への勢いを掴んでいます。党内の候補者争いに最後まで残り、「反トランプ」層の象徴だったヘイリー元国連大使が登場し…
ヘイリー元国連大使「私はドナルド・トランプを強く支持します」ヘイリー氏は「我々は国を救わなくてはならず、共和党の団結が不可欠だ」と強調し、一枚岩をアピールしました。一方、バイデン大統領は…
バイデン大統領「対立の温度を下げなければならないが、真実を語ることをやめるべきではない」こう話し、銃撃事件後はじめての選挙活動でもトランプ氏を批判しました。九死に一生を得たトランプ氏と現職のバイデン大統領。アメリカンダイナーの店主・塩田さんは、日本への影響について…
アメリカンダイナーアンドラ 塩田龍太郎さん「ちょっとでも円高になった方が商売はしやすくなると思う。ただ、日本に来てくれている外国人・旅行者の方は円安だから来てくれていると思うんで、どっちがいいのかなとは本当に思いますけど」
「ほぼトラ」ならぬ「確トラ」=“確実にトランプ”という言葉も出ている中で、もしトランプ氏が当選した場合、日本にどのような影響が及ぶのでしょうか?
小川彩佳キャスター:トランプ氏が再選した場合の経済への影響について、特に私達の暮らしに直結する「食費・海外旅行」「電気・ガス代」「賃金」はどうなる可能性があるのでしょうか。
藤森祥平キャスター:食費や海外旅行に大きく影響するのが円安です。17日夕方、為替市場に動きがありました。1ドル=158円58銭から、一気に156円10銭となり円高にふれました。
23ジャーナリスト 片山薫:この動き、トランプ氏がブルームバーグ社のインタビューに対し、「円安・ドル高を是正すべき」と発言したことがきっかけではないかといわれています。小川キャスター:この発言がきっかけというのは、どういうことですか。23ジャーナリスト 片山薫:トランプ氏は元々「ドル安」志向で、日本にとっては「円高になるべき」と考えています。アメリカの輸出企業にとっては、ドルが安い方が世界に物を売りやすくなるため、それによって貿易赤字を解消しようという考えです。小川キャスター:もし、トランプ氏が大統領になった場合、円高に進んでいくということなのでしょうか。
23ジャーナリスト 片山薫:3人のエコノミストに話を聞いたところ、3人とも「円安に向かうのではないか」としています。トランプ氏の「関税引き上げ」「減税」は、日本が円安に進む政策だということです。※三菱UFJモルガン・スタンレー証券 植野大作チーフ為替ストラテジスト、第一生命経済研究所 星野卓也首席エコノミスト、大和証券 末廣徹チーフエコノミストによると関税を引き上げれば、輸入大国(アメリカ)としては、物価が上がる可能性がある、減税をすれば消費は増えるかもしれないが、物価が上がることになり、そうするとドル高、日本にとっては円安になるのではないかという見立てです。小川キャスター:「円高」を望んでいるという発信をしていますが、政策は「円安」に進んでいく可能性が高いということですか。
トラウデン直美さん:矛盾はありますが、これまでを見ていると内向きな印象なので、関税の引き上げや減税はトランプ氏らしいという感じはします。実際はどっち方向が強いのでしょうか。23ジャーナリスト 片山薫:両方の力が働くと思いますが、「円安になる」という見方がやや多いです。来年ごろには海外旅行もしやすくなるのではないかと期待されていましたが、少し(先に)伸びる可能性はあると思います。トラウデン直美さん:まだ、海外旅行は少しハードルが高いかもしれないということですね…。
23ジャーナリスト 片山薫:電気・ガス・ガソリン代については、下がる可能性があるのではないかと指摘されています。2017年にトランプ氏が大統領になった際には、就任直後に地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定から離脱することを決めました。今回も“石油やガスを掘ろう”と呼び掛けているので、供給量が増え、ガソリン価格は下がる可能性があります。トラウデン直美さん:環境対策としては後退しそうな印象です。環境問題は借金みたいなもので、一時的に楽になったとしても、楽をしたら、後から生態系の変化や異常気象などに大きな影響が出ます。もうすでに(影響が)出てきている中で、この流れは心配です。23ジャーナリスト 片山薫:トランプ氏は、バイデン政権の「EV製造に補助を出す政策」を取り消すと言っているので、この点も気候変動という意味ではマイナスに働く可能性があると思います。
藤森祥平キャスター:日本では「賃上げムード」がようやく高まりつつあるという見方もありますが、そこにも影響が及ぶのでしょうか。23ジャーナリスト 片山薫:賃上げムードに水を差す可能性があるといわれています。トランプ氏は、外国からアメリカに入ってくる物の関税を上げようという保護主義的な政策をとっています。日本がアメリカに自動車などを輸出する際に関税がかかるので、ピンチになるのではないかということです。今、日本経済は円安の中で、自動車や鉄鋼など輸出企業を中心に賃上げが行われていて、それが中小(企業)に波及するかどうかというところですが、そのムードがしぼんでいく可能性はあると思います。トラウデン直美さん:中小企業に広がらないと日本全体で賃上げできたことにはなりません。そこにストップがかかるのは良くないと思います。バイデン氏かトランプ氏か、どちらになるかまだ分かりません。決まったときに、少しでも心の準備ができるよう、経済的にどういう影響があるのかなど注目していきたいと思います。小川キャスター:“確トラ”といわれていますが、大統領選は11月で先は長いです。18日に予定されている指名受諾演説で、トランプ氏がどんな発言をするのか注目していきたいと思います。
NEWSDIGアプリでは『米大統領選』について「みんなの声」を募集しました。
Q.「トランプ再び」で気になる日本への影響は?「為替や株価など日本経済」…41.3%「東アジアの安全保障」…39.0%「中東情勢の変化」…14.0%「その他・わからない」…5.7%※7月17日午後11時16分時点※統計学的手法に基づく世論調査ではありません※動画内で紹介したアンケートは18日午前8時で終了しました。========<プロフィール>トラウデン直美さん慶応大学法学部卒環境問題やSDGsについて積極的に発信23ジャーナリスト 片山薫経済部デスク財務省や経産省・農水省などを担当TPPなどの通商交渉を取材

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