暗闇の中、廃虚のような建物が投光器に照らし出されていた。
壁が吹き飛び、残るのは外枠だけ。これまで現場で見てきた住宅の爆発跡とは破壊力がまるで違った。
熊本県嘉島町の商業施設「イオンモール熊本」。7月28日夕の地震発生から8時間がたった29日未明、北九州市消防局の中禮(ちゅうれい)康久・消防司令長(58)は、福岡県内の消防隊による救助活動に参加するため現場に着いた。
1人が無事に救助されたとの報告があった。「他にも生存者が取り残されている可能性がある。早く助けたい」と施設内に入った。
消防隊員たちは、粉じんが舞う中、重機で鉄骨やがれきをどかしていく。深夜でも気温が高く、班ごとに20~30分で交代しながら捜索を続けた。
徹夜となった作業の開始から半日が過ぎようとしていた午前11時42分、北九州の隊員が1階で女性1人を見つけた。天井の板の下敷きになり、呼びかけても反応がない。運び出すのに2時間。生きて助け出すことはできなかった。
救助活動は8月1日正午まで続けられた。イオンによると、生存者は1人。7人の死亡が確認された。亡くなったのはいずれも店舗の従業員で、避難後に施設内に入ったとみられる。従業員らが戻るまでに何があったのか――。
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激震に見舞われた現場で起きていたことを、当事者の証言を基に振り返る。