東京都八王子市・JR八王子駅から徒歩2分ほどの場所にある会員制貸金庫で、金庫が破壊され現金約4~5億円が盗まれる事件が発生。4月28日の午前、貸金庫従業員から「貸金庫が壊されている」と110番通報があり発覚した。
全国紙社会部記者によると、「前日の27日夜に複数人が施設内に侵入し、約10分後に車で立ち去る様子が防犯カメラに映っていた」という。
「金庫室内にはおよそ900個の貸金庫があり、そのうち2個がバールのようなもので破壊されていました。金庫はダイヤル錠と鍵穴による二重ロックが施されていたものの、いずれもこじ開けられ、内部の現金が盗まれたとみられます。被害に遭った男性の1人は、金庫内に約4~5億円の現金を保管していたみたいです」
ビルへの入り口には防犯カメラが複数設置され、地下に降りる場合は必ずカメラ前を通らなければならない。犯人と思われる人物は、帽子やフードなどで顔を隠していたとのことだ。警視庁は車で逃走したとみられる人物の行方を追っている。
事件が発生した貸金庫は、ドラマのロケ地としても有名で運営会社のインスタグラムでは、俳優たちからのサインが投稿されている。
現場周辺は、繁華街として賑わっておりガールズバーやキャバクラ、スナックが立ち並び、キャッチもかなりいる。事件現場から数m離れた場所にある喫煙所では、飲み会帰りのサラリーマンたちが談笑していた。一見、数億円が預けられているような貸金庫があるとは思えない場所だった。
長年、事件があった金庫を利用している男性に話を聞いた。男性はニュースを聞いて外出先の新橋から八王子まで戻って来たという。「もうかなり長いこと利用していますが、初めての出来事です」と驚きながら、この貸金庫について詳しく教えてくれた。
「被害に遭ったのは、大口客用の金庫です。私が利用しているのはもっと小さな金庫で、年間6000円ほど払って家に置いておくと危ない実印や契約書、銀行のキャッシュカードなどを入れています。最近は窃盗や強盗事件が多いから、家は安全ではないでしょう」
セキュリティはかなり厳重なようで、貸金庫の中身にたどり着くまでに鍵が3つ必要とのことだ。
「まず、地下に入るためのカードキーが必要になります。そして金庫室に入るための鍵と、金庫を開けるための鍵が別にあるので、セキュリティは万全なんです。この仕組みを理解していなければ金庫室にたどり着けません。金庫室の鍵は壊されていないので、金庫利用者か、近しい人の犯行だと考えています。いかにも怪しい雰囲気の人が利用しているのも見かけたことがあります。表に出せない金を預けているのではと思っていました」(前出・利用者の男性)
カードキーを作るには、身分証明をして、会社に勤めていれば在籍確認を取るといった段取りがあるため、1ヵ月程かかるとのことだ。利用した人の履歴を調べれば誰のカードキーで入ったかがわかる。だが、それしきのことで簡単に犯人にたどり着けるとは考えにくい。
「かなり昔ですが、たまたま居合わせた人が札束を入れているのを見たことがあります。金庫にはすごい量の紙幣が詰められていて、金ののべ棒なんかも入っていました。しかし、他の人が出し入れしているときに鉢合わせることなんてめったにありません。今回の事件はピンポイントで大金が入っている場所を知らないと狙えなかったと思います」(同前)
奇しくも28日午後に、東京・葛飾区では2kg超の金塊が奪われる強盗傷害事件が発生し、世間を騒がせた。また、今年の1月には台東区で約4億2000万円が入ったスーツケースが盗まれるという事件も発生している。この事件では複数の暴力団の幹部たちが逮捕されており、警察ではトクリュウ型に類似したタイプの犯罪として捜査をしている。
今回の事件がこういったタイプの犯罪なのかどうかは、捜査が進まなければわからない。いずれにせよ、巨額の強盗事件が多発している今までに類を見ない状況は、非常に危機的だといえるだろう。
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取材・文・写真:白紙緑