【前編を読む→「クスリがあるからいつも調子がいい人」は要注意!あなたは「薬依存症」かもしれません】
和田数子さん(78歳、仮名)も数年間にわたって狭心症と血栓を防ぐクスリを飲み続けた。
「体調に問題はないし、心臓の検査を受けたこともなく、どうしてクスリを飲み始めたのか覚えていなかったのですが、お医者さんからもらったクスリを勝手にやめてはいけないと思っていました」
和田さんに相談されて不審に思った新しい主治医が古いカルテを確認したところ、クスリが処方された発端は「少し胸がキュンとした」という訴えだった。当時の医師が狭心症を疑って、2種類のクスリを出していたのだ。
和田さんが別の病院へ移っても、医師は「理由がわからないクスリを勝手にやめて体調が悪化したら困る」と考え、不要なクスリを処方し続けてしまった。このように、それまでと同じクスリを処方することを「Do処方」という。
神戸大学医学部名誉教授の平井みどり氏は、「『クスリを飲んでいれば大丈夫』と思ってはいけない」と警告する。
「健康は、クスリがつくってくれるのではなく、患者さんご自身でつくるものです。
一時的に必要だからクスリを使い、元に戻ったらクスリなしで生活することを忘れないでください」
クスリの副作用が原因で転倒を繰り返したのは田代邦夫さん(82歳、仮名)だ。
「頻尿でクスリをもらったのですが、医者に『変わらない』と伝えたところ1つ追加され、それでも『夜中におしっこが我慢できない』と訴えるとさらに増やされ……最終的に4種類も追加されました。
たくさんのクスリを飲むのは大変でしたが、医者に言えなかったのです」
田代さんは医者に遠慮して、言われるがままに大量のクスリを飲み続けた。すると数年後、頻繁に転ぶようになり、頭を打って入院する破目になった。原因はクスリの副作用である「めまい」だった。
クスリに頼らない健康法を考える、薬剤師の宇多川久美子氏が解説する。
「自分がなぜそのクスリを飲むかわからないままにしておくのはやめましょう。
医療は受けるものではなく参加するもの。自分で自分の身体を把握し、健康を保つ『健康の自立』が大切です」
クスリとの付き合い方には主体性が大切だ。
【健康の記事をもっと読む→全国「最高のがん治療が受けられる病院」ベスト86を一挙紹介…!実は“最後の砦”は近所にあった】
「週刊現代」2026年3月30日号より
【もっと読む】全国「最高のがん治療が受けられる病院」ベスト86を一挙紹介…!実は”最後の砦”は近所にあった