既婚女性と不倫関係にあったことが報じられた松本洋平・文科相。永田町がこの一件以上に衝撃を受けたのは、松本氏が高市早苗・首相のことを「大っ嫌い」と発言していた音声の存在が同時に報じられたことだった。高い支持率に支えられ、盤石な一強体制を築いているように見える高市政権だが、実は松本氏と同様、「高市嫌い」を隠している閣僚たちが数多くいるのではないか。彼ら/彼女らが震え、怯えるその内容とは――。【前後編の前編】
【図解】孤高の総理を取り巻く100人相関図
「高市さん、大っ嫌いなんだよ」
そんな”本音”を不倫相手に語っていたことを『週刊文春』(3月12日発売号)で暴露された松本氏。官邸で高市首相に不倫報道を謝罪した後、記者団に大っ嫌い発言について「当時の高市総理と深い付き合いがあったわけではない。議員同士深い関係でなかった。今とは違う思いを抱いていたかもしれない」と釈明したうえで、「今は仕事ぶりを間近で拝見し、問題を認識し、突破していく姿は本当に尊敬できる」と露骨に高市首相をヨイショして見せた。
だが、この内閣には松本氏の他にも内心では高市首相のことが嫌いなのに「面従腹背」を決め込んでいる閣僚が多くいるという。
「彼らは松本大臣の本音漏洩で、”自分もバレるんじゃないか”と戦々恐々としているようです」(政治部記者)
そんな大臣たちはどんな視線で高市首相を見ているのか。
自民党担当記者たちが高市首相と肌が合わない大臣の筆頭に挙げるのが閣僚序列3位の林芳正・総務相だ。
岸田内閣時代の2022年2月には外相だった林氏がロシアの大臣と経済協力の会合を開いたことに高市氏(当時は自民党政調会長)が「G7の結束を乱そうとするロシア側を利することになるのではないかと大変強い懸念を覚えた」と手厳しく批判したことがある。党役員が閣僚の行動を正面から批判するのは極めて異例だ。
「日中友好議連会長を務めた林さんと反中国が売りの高市総理は外交姿勢が正反対。財政政策も林さんは財政規律派で積極財政の総理とは水と油。仲が良いはずがない。総理が台湾有事発言で日中関係を悪化させたことも”身から出た錆”と冷ややかな目で見ている」(旧岸田派議員)
その林氏、旧岸田派の議員との会合では「今の政権については『お手並み拝見ですかね』と言っているそうです。高市さんのことは全然評価していないし、自分のほうができると思っている」(自民党担当記者)のだという。
それに続くのが小泉進次郎・防衛相だ。自民党総裁選では石破路線の継承を掲げ、こちらも「外国人観光客6000万人計画」を打ち出すなど外国人規制論者の高市首相とは路線が違う。
「高市首相はコメ高騰対策で名を上げた小泉農相の功績を潰すために後任の農相に農水官僚出身の鈴木憲和氏を起用し、小泉路線を否定してコメ政策を大転換させた。小泉さんはオフレコでも人の悪口は言わないが、総理のあのやり方には思うところがあるようです」(政治部記者)
閣僚序列2位の茂木敏充・外相も「消費税減税なら社会保障費を3割カットしなければならない」と消費減税に強く反対してきた人物で「党役員時代も高市さんと一緒に仕事をしたことがほとんどない」(同前)と距離がある。
石破側近で「反高市」として知られる赤澤亮正・経産相は”針のむしろ”の様子だ。
「高市総理は石破政権の日米関税交渉を円滑に引き継ぐために担当の赤澤氏を外せなかった」(自民党ベテラン)という消極的な理由で閣僚に起用されたものの、それだけに高市首相の視線は厳しく、国会審議で日米交渉について「私に恥をかかせるな」と注文をつけられたほど。
「赤澤さんはトランプ大統領との面会でMAGA帽子をかぶってはしゃいだほど基本はお調子者なのに、今は総理からの圧を感じてヒーヒー言っている」(自民党担当記者)
(後編に続く)
※週刊ポスト2026年4月3日号