高市早苗首相(自民党総裁)の事務所が、衆院選当選の慰労として約3万円のカタログギフトを自身を除く全ての党所属衆院議員に配布した問題。政治評論家の角谷浩一氏(横浜市出身)に聞いた。
─カタログギフト配布について高市首相は「問題はない」と強気だ。
「それは『法に触れなければ良い』という理屈が下地だ。しかし政治家には高い倫理が求められる。奈良県の支部から全国の全議員へギフトを配る合理的根拠は何なのか。総理大臣が法の抜け道のようなことを率先していては、新人をはじめとした議員に対しての悪い手本にほかならない」
─波紋は収まるのか。
「『法に触れなければ良い』という理屈は『政治とカネ』の問題を巡ってまかり通ってきた。国民の間に『高市さん、あなたもですか』とのうんざり感や失望が広がるのは当然だ。国民の不信は深刻だ。古い政治はもうやめよう」
─ギフトの扱いを明らかにしない議員が目立つ。
「政治家には税金から歳費が支払われ政治資金には課税されない。そうした権限は独立した政治活動を担保するためのものだ。それなのに本来なら議員個人の判断では自由には使えないはずの政党支部費を原資としたお祝いが手元にある。後ろめたく感じるほうが自然だ」
─これからどう対応すべきなのか。
「国会審議の中で高市首相は『中小企業のおやじ、社長みたいなところがあった』と開き直った。しかし古い政治や因習から脱却したいとの国民の願いが自身を初の女性総理に押し上げてくれたのではないのか。それに物価高騰などに悩む現下の中小企業社長にギフトをばらまくような余裕などない。例えとして失礼だし不適切だ。高市人気で当選した議員が逆にお礼を受け取るという構図も国民には奇異に映る。さっさと返還したほうがすっきりすると思う」