2025年から26年にかけて、警察による「メンズエステ」(通称メンエス)の摘発が相次いでいる。
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最近では2月17日、神奈川・千葉両県警合同捜査本部が東京、神奈川、千葉、埼玉、栃木の1都4県でフランチャイズ加盟店を展開する「神のエステ」を摘発、経営者の渡辺伸也容疑者(35)ら男女15人を風営法違反(禁止区域営業)で逮捕した。
「25年に神奈川県警が加盟店の一つを摘発、そこから捜査を積み上げ、経営者の逮捕まで至ったものです。東京都内では26のマンション室内で営業しており、年間10億円以上の稼ぎがあったと見られています。売り上げ金は、保管先である新宿区内のマンションの部屋で管理し、その一部はトクリュウなど、犯罪組織に流れたとみて捜査が続けられています」(社会部記者)
それより前、1月28日には群馬県警が「メンズエステ」と称した店に派遣した女性に、性的サービスを行わせたとして25歳の女を職業安定法違反の疑いで逮捕。さらに昨年12月17日には静岡県警が、14歳の女子中学生をメンスエステ店で性的サービスに従事させたとして、経営者の男(35)を不同意わいせつや風営法違反(年少者使用)で逮捕。同年10月には大阪府警が大阪市都島区で、禁止地域でありながら性的サービスを行うメンズエステを営業したとして、経営者の男(47)ら3人を逮捕している。
「現在、性的サービスを提供する業種の中で、最も勢いがあるのがメンエスです。業態的には直接、反社(反社会的勢力)や半グレが経営している場合と、そうした団体や組織に上納金やみかじめ料が流れている事例に加え、先ごろ摘発された『ナチュラル』のような違法スカウトグループが資金移動の間に介在していることから、重要取り締まり対象になっているのです。最大級のメンエスグループである『神のエステ』摘発は、その象徴的な事例でしょう」(保安担当の捜査関係者)
もともとメンズエステでは、店が所有しているマンションの一室で、床に敷いたマットや布団の上に紙パンツなどに着替えた男性がうつぶせに寝る。キャミソールほどの露出度の高い女性が背中や肩をほぐし、次にパウダーでさわさわとタッチ。最後にオイルを塗って背中や足、さらに仰向けになった男性の上半身から足、最後に太ももの付け根部分をもみほぐして終了――というサービスが主流だった。
「アロマをたきながらマッサージすることが多いため、『アロマエステ』などと称する店もありましたね」(元風俗業界関係者)
こうした内容のサービスだけなら当局も目くじらをたてることはなかっただろう。しかし、堂々と性的サービスを提供する、未成年女子を雇う、スカウトした女性をあっせんするという、本来はなかったサービス=違法・触法行為が目に余るようになり、警察も無視するわけにはいかなくなったのだが、それにはどんな経緯があったのだろうか。
「当初のメンエスは、男性からのタッチは厳禁で、女性による下腹部へのタッチも同じ。性的サービスがないことから女子大生やモデルの卵など、ごく普通の女性がお忍びの高額バイトとして働くことが多かったことでも注目を集めました。ただ、こうしたサービスでは、男性客は“生殺し”や“寸止め”状態という、ある種、異様な状態で帰宅を余儀なくされる。店側も“性的サービスは厳禁”と言いながら、その流れが大きく変わったのがコロナ禍でした」(元風俗情報担当記者)
デリヘルやソープランドなど、一般的な性的サービスの店ではコロナ感染の危険があるかもしれないと判断した男性客が、表向き「性的サービスはない」とするメンズエステに流れるようになった。
「もともと性的サービス店を利用していた男性たちは、メンエスでも平然と女性に触ったり、『どこまでやらせてくれるの?』『サービスしてくれないの?』と言ったりして、ズケズケとサービスを要求するようになりました。すると、女性の中にも、『あと1万円くれたら手で』とか、『2万円なら最後まで』と応じる例も出てきたのです。これが通称“裏オプ”と呼ばれる、裏オプションでした」(前出・記者)
ただでさえコロナ禍で、あらゆる業種が集客に悩む中、メンエス業界も例外ではなかった。「どこの店なら裏オプがある」「あの店のこの女の子は最後までできる」などといった情報交換がSNSやネット掲示板で盛んに行われるようになったことも、メンエスブームの追い風となった。
「特に、最初から性的サービスが当たり前の従来店とは異なり、女性と個人交渉をして最後までできるかどうかというのが“ゲーム感覚で楽しく、(うまくいくと)達成感がある”と感じる男性客が増えてきたことも、メンエス人気をさらに高めました。今では集客バトルが激しくなっており、稼働女性にさまざまなコスプレを導入したり、極小面積のビキニ(マイクロビキニ)姿での全身密着マッサージを導入したりするなど、サービスも過激化しています」(同)
それでも本来のサービスと業態を尊重し、「性的サービス厳禁。現認した場合は女性は即解雇、男性客は罰金100万円」などとルールを徹底して、健全サービスに努めている店はある。時おり、勘違いした客が利用して大変な目に遭うこともあるらしい。
警察当局がメンエス業界に目を光らせる主な理由は前述の通りだが、他の事例として、新宿・歌舞伎町の大久保公園で立ちんぼをしていた女性や、マッチングアプリで援助交際をしていた女性が、メンエス業界に参入している点にも注目しているという。
「こうした女性は、稼いだ金をホストクラブやメンズ地下アイドル、メンズコンセプトカフェの男性店員などへ貢いでしまう。いわゆる“推し活”です。警察はこうした“イケメン推し活ビジネス”にはまってしまい、違法店舗やスカウトグループの網にかかってしまう“闇のスパイラル”を壊滅すべく、所要の捜査を推進しています」(前出・捜査関係者)
店舗として特定のマンションを使用せず、ホテルなど出張型のメンエスにも目を光らせるなど、多方面に捜査の網を張っているという。
デイリー新潮編集部