フジテレビが一連の問題で「2つの裁判」を抱えている。
1つは原告としてだ。フジは港浩一前社長と大多亮元専務が元タレントの中居正広氏の問題で調査や対応を怠ったため、広告収入が激減してフジが約453億円の損害を受けたと主張。その一部として50億円の損害賠償を両氏に求めて昨年8月、東京地裁に提訴した。
もう1つは被告としてだ。
フジの親会社「フジ・メディア・ホールディングス(HD)」の株主A氏は、フジHDの金光修前社長、爛侫犬離疋鶚瓩半里気譴親枝久氏らフジHD旧経営陣15人が一連の問題で対応を怠ったため、広告収入が激減したと主張。A氏は、フジHD旧経営陣15人がフジHDに233億円を支払うよう求めて昨年3月、東京地裁に提訴していた。
フジが港、大多の両氏を相手取った訴訟は審理が進まず、こう着状態が続いていると昨年11月、女性セブンプラスで報じられた。地裁がフジの主張について「分かりにくい」と難色を示したとされる。たしかにこの訴訟の進展具合は全く報じられず、明るみに出ていない。
この訴訟については、フジが一連の問題で世間や株主から批判され、会社再建に向けて毅然とした態度をアピールするため港、大多の両氏を提訴したのでは――と業界やSNSで指摘された。この訴訟が遅々として進まないのは、フジとしては歯がゆいだろう。
一方、フジHDが被告となった株主代表訴訟は係争中だ。法曹関係者の話。
「株主Aさんは振り上げたこぶしを下さず、ファイティングポーズを取り続けています。フジHDは新体制になって会社再建を図っていますが、Aさんは許していないそうです」
フジグループでは清水賢治氏が昨年1月にフジ社長に、同6月にフジHD社長にそれぞれ就任し、会社再建を進めている。そのウラで、原告として訴えた訴訟は進まず、被告として訴えられた訴訟では突き上げを食らっている状態だ。
一連の問題は中居氏が2024年12月に女性トラブルを報じられたことをきっかけに発覚。これに派生する形で25年に提起された2つの訴訟は26年にもつれ込む――。