横浜市戸塚区の眼科医院「戸塚駅前鈴木眼科」が昨年末に前触れもなく閉院し、患者らに困惑が広がっている。公式な場での説明はなされておらず、前払いした診療費やカルテの返還を求める声が上がり始めた。市は事後処理を担う弁護士に患者への迷惑を避けるよう要請しているが、先行きは見通せていない。
「突然のお知らせとなり、多大なご心配とご迷惑をおかけいたしますことを心よりおわび申し上げます」
6日午後、戸塚駅直結の商業施設「トツカーナ」5階に入る鈴木眼科の入り口には、A4用紙1枚の通知が張り出されていた。
小学生の長女を通院させている40代の女性は昨年9月、1年分の診療費や医療用コンタクトレンズ代などとして5万円を前払いしたという。先月22日にも来院し、3カ月後の検診を予約したばかりだった。
女性は大手脱毛サロンなどで起きた同様のトラブルに触れ、「まさか自分も当事者になるとは」と絶句。「これからどこに通えばいいのか」と頭を抱えた。
付近の眼科クリニックに勤める女性は「院長がメディアによく出る有名な方。経営難のうわさは聞いたことがない」と驚きの表情を浮かべた。
東京商工リサーチなどによると、鈴木眼科は2010年4月に開院した。しかし、人件費や設備費、家賃などの負担がのしかかり、赤字が常態化。24年3月期には売上高約8億円を計上したものの、昨年3月末には5億6千万円余りの債務超過に陥っていた。