世界が注目する核融合エネルギーの利用、実用化に向けて名古屋のスーパーマーケットが挑戦する。
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愛知県内に50店の食料品などのスーパーマーケットを展開する「アオキスーパー」(本社名古屋市・青木俊道代表)が、核融合エネルギーの実用化を目指す「ヘリカルフュージョン」(本社東京・田口昂哉CEO)と、核融合エネルギーによる電力売買契約を締結した。
核融合エネルギー利用の売買契約は国内初、世界でも4番目となる。
核融合(フュージョン)を素人なりに理解すると、太陽のエネルギー源は、内部の原子核同士が融合する過程で発生する莫大なものだが、核融合技術は、この太陽エネルギー源を再現する手法。核融合エネルギーが注目されるのは、核融合反応で温室効果ガスCO2が発生せず、高レベルの放射性廃棄物が出ない。そして燃料は海水を利用するため無尽蔵にあることだ。
ヘリカルフュージョンの「Helix Program」への出資者はSBIインベストメント、ニッセイ・キャピタルなど大手VCを中心に約40者が参加する。その中でエネルギーの利用実用化に向けた売買契約を結んだのがアオキスーパーだ。
■CO2削減に早くから取り組み
地球温暖化に伴う気候変動は農産物の栽培適地の変化や、海水温の上昇による水産資源への影響から食料品を扱うスーパー業界でも深刻な問題になっている。同社は店舗に太陽光発電設備を設置するなど、CO2削減に早くから積極的に取り組んできている。河野正幸常務取締役が言う。
「食品を扱うスーパーとして、最も大事な安全な商品をお客さまに供給することができなくなることは、商売の根幹が崩れることになる。CO2削減など環境問題は非常に重要だと認識しています。また、われわれの業界はエネルギー消費量の多さも大きな課題になっているんです」
そのうえで、核融合エネルギーへの取り組みをこう語る。
「ヘリカルフュージョン社への資本参加と実用化への売買契約を結んだことは、温暖化、気候変動問題に寄与したいこと。長期的に安定した電力の確保、そして核融合エネルギー利用にいち早く取り組むことで他の企業への関心が集まり、核融合エネルギーの実用化が早まり地球環境に好循環が生まれることを期待している」
世界初の核融合エネルギーの実用発電の達成を目指すヘリカルフュージョン社は、「日本独自の『ヘリカル型核融合炉』の開発に向け2030年代中には、最終実証装置『Helix HARUKA』による統合実証、さらに発電初号機『Helix KANATA』での世界初の実用発電を達成する計画です」(同社経営戦略室担当者)。
2026年、核融合エネルギーの実用化に向けた新たな年がスタートした。
(ジャーナリスト・木野活明)