小野田紀美経済安保・外国人政策担当大臣(42)は28日、閣議後に記者会見を開き、記者からの個別質問に答えた際、“静かに怒りをにじませた場面”があった。
会見で小野田大臣に、とある記者が「マンガなどの日本の出版物を無断掲載している全世界の海賊版サイトの被害総額が、推計では正規で販売された額の約12倍にあたる年間8兆5,000億円にのぼる」とし、「見方を変えるとこの対策をするだけでも、確実に成長戦略の柱になると思うが、どう考えているか」と投げかけた。
記者からの質問中、眉間に皺を寄せながら何度も深くうなずき聞いていた小野田大臣だったが、開口一番「聞いているだけでも本当に、ピキピキとくるところですが」とコンテンツの著作権侵害の被害に対する“怒り”を静かに表明。続けて、「海賊版の被害は複数の団体でそれぞれの考え方に基づいて推計を公表しているが、いずれにしてもコンテンツ産業の成長、クリエイターが適正な利益を確保していくためには、海賊版対策はきわめて重要な課題」と述べた。
さらに「閣議決定された総合経済対策においても、海賊版対策の国際執行、そして正規版流通促進、つまり“読みたいけど正規版がないから海賊版に流れる”ということがないように、正規版流通促進に投資する旨が明記されたところ。各省の連携で外国ファンの認知拡大、や海外コンテンツの供給量の拡大を支援して、日本初のコンテンツの海外流通機能を強化するなどの施策をすすめるべく、これから司令塔として取り組んでいきたいと思っています」と今後の方針を説明した。
冒頭の“ピキピキとくる”という怒りの発言には会見をYouTubeのライブ配信で見ていたユーザーからチャット欄へのコメントが多くつき、《ピキピキw》《おこなの?》《きみちゃんピキピキ》などの反応が見られた。
あるWEBメディアライターは「ピキピキという表現で怒りをあらわすのは、小野田大臣らしいですよね」という。
「ピキピキ、とは血管が浮き出るような怒りを表現する時に使う擬態語です。最近の若い子の間では“ピキる””ピキった”などとイライラを表現するのに使う場合も。ネット上でもよく使われるフレーズではありますが、小野田大臣の“素”の表現が思わず出たのではないでしょうか。
また小野田大臣は大学卒業後、ゲーム・CD制作会社に入社し、広報や制作進行などを担当していた過去があり、現在もマンガやゲームのコアなファンとして知られています。26日の衆議院内閣委員会でも、他国に比べてコンテンツ産業の関連予算が少ないことについて、“業界にいたので忸怩たる思い”と悔しがっていましたからね……。やはりコンテンツ産業についてのテーマは、担当大臣である以上に思い入れが強いようです」(前出・メディアライター)