「内容について全て事実です。私のしたことに間違いありません」
高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去
2022年7月、奈良市の近鉄・大和西大寺駅前で演説中だった安倍晋三元首相が銃撃され、死亡した事件。殺人などの罪に問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判の初公判が28日、奈良地裁で開かれ、山上被告は起訴内容を認めた。
弁護側は山上被告について、母親が旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に入信して高額献金で自己破産したため、精神的に追い詰められて自殺を図ったと説明。「自身や家族の人生が翻弄され、教団への復讐心を強めた」と訴え、成育環境は児童虐待に当たるとして情状酌量を求めた。
一方、検察側は「被告が思い通りの人生を送れないのは教団のせいだと考え、恨みを募らせた」と指摘。新型コロナの影響で旧統一教会の韓鶴子総裁の来日の見通しが立たず、襲撃を断念。安倍元首相が関連団体にメッセージを送っていたのを知り、「安倍元首相を襲撃することで旧統一教会の活動自体に社会的注目が集まり、批判が高まる」と、安倍元首相に狙いを定めたと主張した。
旧統一教会問題を長年追及し初公判を傍聴したジャーナリストの鈴木エイト氏はどう見たのか。
「言い方は悪いけど、山上被告はふてくされているようだった。終了後、弁護士に『傍聴席の視線が気になった』と話したそうですが、『自分の態度はどう見えていたか』『これでよかったのか』と確認するなど、随分気にしていたようです。髪の毛がものすごく伸びていて、印象が変わりました。罪状認否でもボソッ、ボソッとほとんど聞き取れない小さな声で、はっきりしゃべらなかった。表情や感情が表に出づらく、人付き合いが苦手で他人とうまくつながれなかったことが、事件の要因のひとつだったのかと感じました」
■検察側は旧統一教会の影響を全否定せず
弁護側が事件の背景に宗教的虐待があるとしているのに対し、検察側は旧統一教会の影響を過大視すべきではなく、犯行そのものの悪質性を重視し、恨みは後付けとしている。
「公判で検察側が統一教会の影響を全否定しなかったことは意外でした。裁判員は、双方とも説得力があると感じたのではないか。ただ検察側は山上被告の殺害動機を短くつなげ過ぎている。そんな単純な話ではないし、短絡的で決め付けている印象です。自分が関わってきた問題として、弁護側の冒頭陳述の方が納得はできました。公判では彼が犯行に使用した手製の銃が提示され、衝撃を受けました。これだけ大それた物を製造できる知識を持ち、そこまでして殺害しようとした動機や手段、計画性といった犯情の重さを検察側は裁判員にアピールできたのではないか」(鈴木エイト氏)
公判は予備日を含めて最大19回開かれ、弁護側証人として山上被告の母親や妹も出廷する予定。母親はこれまで息子が勾留されている大阪拘置所に何度も足を運び、面会を求めたが、山上被告は拒否し続け、母親から届いた手紙に返事を書くこともなかった。
母親の目の前で何を語るのか。
◇ ◇ ◇
高市早苗首相は柴山昌彦元文科相と江島潔参院議員を政調会長代理に充てる人事を了承。柴山氏と江島氏は収支報告書への不記載が発覚しただけでなく、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の関連団体との接点も分かっているが……●関連記事【もっと読む】『高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去』で詳報している。