「自民党にも若いリーダーが必要だ!」こうして担ぎ出されようとしている進次郎氏。しかし、その裏で老人たちのどす黒い思惑が蠢いている。
「君、小泉君でしょう? お母さんが『小泉君のお父さんは政治家だから、仲良くしとけ』って言うんだ」
中学校の入学式でそんな声をかけられた小泉少年は「もう本当の友達はできないな」とショックを受けたという。それから約30年が経ったが、小泉氏の周りには、思惑を持って蠢く人々が今もなお―。
自民党総裁の座を巡る、戦いの火ぶたが切られた。党内では候補者として5人の名前があがっている。
「小泉進次郎農水相、高市早苗前経済安保相、林芳正官房長官、小林鷹之元経済安保相、茂木敏充前幹事長が軸になるでしょう」(自民党幹部)
早くからアピールに余念がなかったのが、前回総裁選で保守の論客として台頭した「コバホーク」こと小林鷹之元経済安保相(50歳)。積極的にメディアに露出し、石破茂総理の責任を追及してきた。
小林氏は総裁選を支えた仲間と定期的に会合を繰り返しているが、小林氏を支援するベテラン議員は、「総理まであと5年はかかる。まずは党の要職をやらなきゃ」と語る。
林芳正官房長官(64歳)も総理の辞任表明直後に、出馬の意向を固めた。
「外相や農水相などを歴任し、実績は充分。辞任した閣僚の後任に緊急登板することも多いため、『政界の119番』と言われるほど。旧宏池会(旧岸田派)を中心に支持を得ています」(自民党参院幹部)
一方、茂木敏充前幹事長(69歳)は旧平成研(旧茂木派)を中心に一定の支持があるものの、参院旧平成研の実力者・石井準一参院国対委員長が周囲に「茂木氏とは、俺が派閥を抜けた際に縁を切った」と語るなど人望のなさが祟り、旧派閥すらまとめ切れない。
党員投票を含めた「フルスペック」での総裁選では、「人気投票の面が強い。そこで有力視されるのが、自民党の「岩盤保守層」に圧倒的な人気を誇る高市早苗前経済安保相(64歳)である。
昨年の総裁選では1回目の投票で首位となったものの、決選投票で石破総理に逆転を許した。
党内では「安倍晋三元総理の遺志を継ぐ高市氏なら、参政党に取られた岩盤保守層の支持を取り戻せる」(自民党衆院中堅)との期待感が高まる。
「ただ高鳥修一ら、昨年の総裁選を支えたメンバーが落選し、側近は、松下政経塾の先輩・山田宏参院議員くらい。高市氏も人付き合いが不得手で、組織作りが課題になる。公明党が『保守中道でないと連立を組めない』と当てこすりのように主張していることも、「右翼的」と評される高市氏にとって逆風です」(同前)
党内では「安倍晋三元総理の遺志を継ぐ高市氏なら、参政党に取られた岩盤保守層の支持を取り戻せる」(自民党衆院中堅)との期待感が高まる。
「ただ高鳥修一ら、昨年の総裁選を支えたメンバーが落選し、側近は、松下政経塾の先輩・山田宏参院議員くらい。高市氏も人付き合いが不得手で、組織作りが課題になる。公明党が『保守中道でないと連立を組めない』と当てこすりのように主張していることも、「右翼的」と評される高市氏にとって逆風です」(同前)
こうした中で、自民党内で衆目の一致する総理候補となりつつあるのが、小泉進次郎農水相(44歳)である。
自民党の若手衆院議員は、「国民に期待感と信頼感を持ってもらうためには、我が党にも若いリーダーが必要だ」と指摘。かように「小泉待望論」が党内で高まっている。
「ベテランがバックアップをしながら、「チーム小泉」にやらせてみようという空気感がある」(自民中堅議員)
自民党が「解党的出直し」をアピールするために頼るのが、父親も総理を務めた「世襲議員」なのは皮肉だが、ここにきて追い風も吹く。石破政権の内情に詳しい政治解説者の篠原文也氏が語る。
「石破総理は9月5日夜の段階では周辺に『(延命策として)衆院解散をやりきる。(自民党の)分裂選挙になって、政界再編につながってもいい』と覚悟を決めた様子で話していたといいます。しかし、その後の情勢分析、翌6日の菅義偉元総理と小泉氏が首相公邸訪問などを受けて、辞任やむなしと判断したのでしょう」
党勢が低迷する中での衆院解散は、自民党を壊滅させかねないリスクを孕む。小泉氏の官邸訪問は、暴走する石破氏に引導を渡し、自民党を救ったともいえる。
後編記事『参政党代表・神谷宗幣と面会した麻生太郎の思惑実は「進次郎総理」を見据えた戦略だった!』へ続く
かわの・よしのぶ/’91年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、『サンデー毎日』『週刊文春』の記者を経てフリーに。主に政治を取材している。情報提供は【[email protected]】まで
「週刊現代」2025年09月29日号より
【つづきを読む】参政党代表・神谷宗幣と面会した麻生太郎の思惑実は「進次郎総理」を見据えた戦略だった!