お寿司は、日本の食文化を代表する料理であり、世界中でも愛されています。魚や海藻、酢飯など、バランスよく栄養素を含むお寿司は、実は健康や美容にも多くの効果が期待できる食品です。本記事では、お寿司を食べ過ぎるとどうなるか解説します。
監修管理栄養士:武井 香七(管理栄養士)
お寿司のネタとなる魚は、良質なたんぱく質、DHA・EPA、ビタミンDなどを多く含みます。たんぱく質:筋肉や皮膚、髪の健康維持に欠かせない栄養素
DHA・EPA:血液をサラサラにし、脳の働きをサポート
ビタミンD:カルシウム吸収を促し、骨の健康維持に貢献
酢飯にはお酢が含まれ、酢酸は食後血糖値の上昇を緩やかにする可能性があります。ただし、疲労回復効果については限定的なエビデンスにとどまります。また、ご飯からはエネルギー源となる炭水化物を適量摂取できます。
巻き寿司や軍艦巻きに使われる海苔には、食物繊維、ミネラル(カルシウム、マグネシウム)、ビタミンB群が豊富に含まれています。野菜を組み合わせることでビタミンCや抗酸化成分も補えます。
お寿司は一見ヘルシーな印象がありますが、食べ過ぎると栄養バランスや摂取カロリーの面で負担になる場合があります。
シャリには砂糖と酢が加えられており、白米だけを食べるよりも糖質量が多くなります。握り寿司1貫のシャリには約15gの糖質が含まれ、10貫食べると150g前後になります。糖質過多は血糖値の急上昇や脂肪蓄積の原因になります。
トロやサーモン、マヨネーズ使用のネタは脂質が多く、カロリーも高めです。脂質の過剰摂取は体重増加だけでなく、血中脂質のバランスにも影響します。
しょうゆやタレ、加工ネタ(漬け魚、穴子など)には塩分が多く含まれます。塩分過多は高血圧やむくみの原因になることがあります。
お寿司の適量は、年齢・性別・活動量によって変わります。一般的なシャリ30g・低~中カロリーのネタを想定すると、成人では握り寿司8~12貫程度が一つの目安です。
活動量が少ない人(デスクワーク中心・運動習慣が少ない):8~10貫程度(約400~600kcal)活動量が多い人(立ち仕事・運動習慣がある):10~12貫程度(約500~750kcal)
茶碗蒸しや汁物を加える場合は、握り寿司の量を減らすとカロリーオーバーを防げます。
成長期でも大人と同じ量を食べると、脂質や塩分が多くなり過ぎる可能性があります。年齢に応じて5~8貫程度が望ましいでしょう。
お寿司は美味しいだけに、つい食べ過ぎてしまいがちです。以下のような工夫で食べ過ぎを防げます。
白身魚や貝類、まぐろ赤身などを中心に選び、揚げ物やマヨネーズ使用のネタは控えめにします。
「シャリ小」や「半シャリ」を活用すれば、糖質とカロリーを減らせます。
味噌汁やサラダを先に摂ることで満腹感が得られ、握り寿司の食べ過ぎ防止につながります。
刺身や低カロリーネタから先に食べると、血糖値の急上昇を抑えられます。

お寿司は選び方と食べ方によって、健康的に楽しめる料理です。糖質・脂質・塩分の過剰摂取を避けるためには、適量を守り、低カロリーのネタを多く選ぶことがポイントです。汁物や副菜と組み合わせながら、食事全体の栄養バランスを意識しましょう。適量とバランスを意識することで、お寿司を安心して楽しめます。
参考文献
日本食品標準成分表2020年版(八訂)(文部科学省)
平成30年度全国健康関係主管課長会議の資料について(厚生労働省)
「食事バランスガイド」について(農林水産省)