神奈川県に住むE子さん(40代・パート勤務)が買い物から帰宅してポストを確認しようとすると…何かが大量にはみ出していました。
【漫画】義実家からのありがた迷惑な「善意」(全編を読む)
よく見たらそれは、ネギでした。泥付きのネギが、ポストにぎっしりと詰め込まれていたのです。
「泥はボロボロ落ちているし、親の仇みたいに大量に詰め込まれているし…しかも、たった今自分でネギを買ってきたばかりのタイミングだったんです」と、遠い目で語り始めたE子さん。
ネギの差出人は義両親。以前からアポなしで訪れては、留守だと勝手に野菜を玄関先に置いていくのが“習慣”になっていたとのこと。E子さんはため息混じりに話を続けられました。
「このご時世に、ありがたいとは思っていたんです。でも冷蔵庫も限界がありますし、泥を落としたり、食べきれない分を近所に配り歩いたり…消費する労力が馬鹿にならないんです」
物価高が続き、野菜ひとつ買うのにも躊躇する昨今。一見、ありがたい支援のようにも思えますが、実際はそう単純ではありません。
E子さんはこれまで、角が立たないよう何も言わずにやり過ごしてきました。しかし、さすがにポストからたくさんの泥付きネギが生えているビジュアルには我慢ならなかった、といいます。
意を決して夫に相談すると、彼はすぐ義両親に電話で事情を説明してくれました。…ですが、返ってきたのは拍子抜けするような言葉だったといいます。
義両親の反応は「じゃあ、宅配ボックスでも置くか?」と…「そういうことじゃない!!」とE子さんはガックリと肩を落としました。
「根本的に“受け取る側の負担”という視点が抜け落ちてる気がして。義実家との関係がこじれるほどではないけど、伝わらないモヤモヤが残りました」
――こちらの気持ちを汲んでくれない義両親に対するモヤモヤは、泥付きネギの泥のようにE子さんの心にこびりついたまま。それは、洗えば簡単に落ちるわけでもなく…
「決して嫌いじゃないし、むしろ義両親はいい人たちなんです。だけど、正直息が詰まることも多いです」
誰かを責めたいわけではない。ただ「もうちょっと、こっちの都合も聞いてくれたら…」というのが本音だと。E子さんは語られました。
義実家とのトラブルというと、嫁姑バトルや介護問題のような深刻なものを想像しがちです。しかし、日々の些細な“ズレ”もまた、じわじわと心を消耗させる要因になっているようです。
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こうした「善意の押し付け」に悩む人は少なくありません。他にもこんな体験談が寄せられました。
・5歳になる娘の誕生日に、義実家からハムスターのプレゼント。娘は大喜びでしたが、世話をするのは私ですよね…?生体は勘弁して!
・昨年念願のマイホームを建てました。インテリアにはこだわり抜いたのに、義母が張り切ってパッチワークキルトのソファカバーをプレゼントしてくれて…。ものすごく浮いてます…。
・義姉が大量にお下がりをくれるのですが、子供達の好みとは違っていてタンスの肥やしになっています。だけどお礼をしないわけにもいかないし…。正直、困っています。
支援のつもりでも「一方通行の優しさ」は時にプレッシャーになり得ます。相手の生活スタイルやキャパシティを考え、ほんの少し配慮することで家族関係もぐっと円滑になるかもしれないですね。
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