作家の百田尚樹代表が率いる日本保守党は参院選(3日公示、20日投開票)比例代表に弁護士の北村晴男氏を擁立した。人気番組「行列のできる相談所」(日本テレビ系)の出演で名を馳せた北村氏だが、同番組から3人目の政治家が誕生するか――。
北村氏は保守論客でも知られ、公式YouTubeチャンネルの登録者数は55万人超えで、ネットでも高い人気を誇る。「行列――」の弁護士軍団では橋下徹氏が大阪市長、大阪府知事を歴任し、国政政党「日本維新の会」の創設者となれば、丸山和也氏は2007年に自民党から参院選比例代表で当選し、2期12年を務めた。
「行列――」では、北村氏が橋下氏や丸山氏らと舌戦を繰り広げるのが目玉だったが、くしくもライバルだった2人と同じ政界へのチャレンジになる。両者との比較などで注目が集まる中で、北村氏は1日の出馬会見で「(2人とは)全く人間性も性格も違い、好き嫌いというよりも目指すものも全く違うと思っている。正直、なんとも思っていない」と意識することはないと述べた。
「タレント弁護士は多いが、北村先生は別格」と力説したのは百田氏だ。北村氏は保守党結党時から手弁当で同党の法律顧問を引き受け、初陣となった昨年の衆院東京15区補選の応援演説にも駆け付けていた。
百田氏は「橋下さんや丸山さんはかなり政治的野心があった。ところが北村弁護士は政治家になりたいとか、権力欲、名声欲を感じたことはない。今まで大きな政党から声を掛けられても断っていた。自民党から出ていれば当選確実。(今回の出馬は)日本が壊れかけているのを何とかしたい。自民党や立憲民主党では無理で、日本保守党ならなんかやってくれる、貢献できるんじゃないかということで、あえて非常に厳しい道を選んでくれた」と出馬オファーに応えてくれたことに頭が下がる思いだと力説した。
北村氏も「69歳で年を取って、何ができるんだ、しかも弱小政党から出て、私をドン・キホーテのように見られる方も多いかと思うが、しょせん人間はドン・キホーテみたいなもので、多少とも自分の信じる道を歩けるならば」と当選は一筋縄ではいかないが、保守党のために一肌脱いだ決意を示した。