22日に行われた東京都議会議員選挙。自民党が「歴史的大敗」を喫した一方で、初めて議席を獲得した政党が登場。背景に何があるのでしょうか?
【写真を見る】まばらな拍手…自民・都連本部の開票センターの様子
まばらな拍手の自民・都連本部の開票センター。自民党は議席を大幅に減らし、 過去最低の21議席となりました。
歴史的大敗を受け、石破総理は…
石破茂 総理大臣(23日)「非常に厳しいご審判をいただいた。どのような訴えが届かなかったか分析し、今後に生かしていく」
さらに、公明党も36年ぶりに 「全員当選」を逃す異例の事態(19議席)。
一方で、最多の31議席を獲得したのが、小池都知事が特別顧問をつとめる 「都民ファーストの会」。
小池百合子 都知事「都民の皆様方の共感を得ることができた」
対する野党では、立憲民主党が議席を17に伸ばし、野党第一党に躍り出ました。
立憲民主党 野田佳彦 代表「第2党の自民党とほぼ並ぶ状況まで、前進することができた」
一方、共産党は14議席にとどまり、日本維新の会は6人全員が落選。
さらに“石丸新党”「再生の道」も議席は獲得できませんでした。
再生の道 石丸伸二 代表「(候補者が)通ればうれしいし、通らなかったら悲しい。それ以外の感想って生まれるもんなんですか」
こうした中、 都議会で初の議席獲得となったのが 「国民民主党」(9議席)と「参政党」(3議席)です。
国民民主党 玉木雄一郎 代表「国民民主党の掲げる政策に対する期待が、予想以上だった」
参政党 神谷宗幣代表「初挑戦だったが4人中3人が当選。存在感を示せた」
“自民党の大敗”と“一部野党の躍進”が際立った、今回の選挙。
選挙当日(22日)に行われた出口調査によれば、 自民支持層のうち、自民候補に投票したのは53%にとどまりました。
なぜ、このような結果となったのか…。
選挙の情勢調査などを手掛ける専門家は、こう分析します。
JX通信社 米重克洋 代表取締役「自民党がもともと持っていた支持層を、ここ数年手放す、はがれる状況になっていて、国民民主党とか参政党に流れる現象が起きている」
例えば、世田谷選挙区を見てみると…
前回選挙と比べ、自民党と立憲民主党が合わせて3議席減らした一方、参政党・国民民主党・都民ファーストの会が、新たに議席を得た形です。
参政党は「日本人ファースト」、 国民民主党は「手取りを増やす」といった、わかりやすいスローガンを掲げ、SNSで支持を集めたと見られています。
米重代表取締役「既成政党、特に今の自民・公明に対するノーという意思表示は多分に含まれる。物価が高い、 失業率が高いと政権与党には逆風、マイナス。それぞれの“層”を代表する政治勢力が、“多党制”を形作る。そういう時代に変わってきている」
参院選を間近に控えた28日。 石破総理は、都議選で初めて議席を獲得した「参政党」などを念頭に、警戒感をあらわにしました。
石破茂 総理大臣「いろんな新しい政党が、支持を集めているのはなぜなのか。きちんと党として分析をして、全身全霊、この選挙を戦っていく」
参院選は、7月3日に公示されます。