1号店オープンから約2年で60店舗まで増えたゼッテリアのモーニング(筆者撮影)
【画像18枚】ワンコインでこの充実度!土日の朝に食べたい「ゼッテリア」のモーニングはこんな感じ
『マツコの知らない世界』(TBS系)にも出演した、チェーン店の外食モーニングをこよなく愛するライターの大木奈ハル子さん。毎週土曜日更新の連載「チェーン店最強のモーニングを探して」では、さまざまなチェーン店のモーニングをご紹介しています。第128回、ご紹介するのは「ゼッテリア」です。
今回ご紹介するのは、ハンバーガーチェーン「ゼッテリア」のモーニング。2023年9月に1号店をオープンし、2年弱を経て60店舗まで増えました(6月21日現在)。驚いたのがモーニングメニューの進化。バンズもリニューアルされて、味もよりおいしく、価格設定の見直しもありバリュー感もますますアップしていました。当記事では、ワンコイン500円以内で食べられる3通りのメニューを紹介します。より割安に食べられる組み合わせについても考察しております。ゼッテリアの由来はゼンショー+ロッテリア?ゼッテリア登場のきっかけは、2023年4月に外食チェーン最大手で「すき家」「なか卯」「ココス」などを運営するゼンショーホールディングスが、ロッテホールディングスの「ロッテリア」の全株式を取得したこと。【画像18枚】ワンコインでこの充実度!土日の朝に食べたい「ゼッテリア」のモーニングはこんな感じ
『マツコの知らない世界』(TBS系)にも出演した、チェーン店の外食モーニングをこよなく愛するライターの大木奈ハル子さん。毎週土曜日更新の連載「チェーン店最強のモーニングを探して」では、さまざまなチェーン店のモーニングをご紹介しています。
第128回、ご紹介するのは「ゼッテリア」です。
今回ご紹介するのは、ハンバーガーチェーン「ゼッテリア」のモーニング。2023年9月に1号店をオープンし、2年弱を経て60店舗まで増えました(6月21日現在)。
驚いたのがモーニングメニューの進化。バンズもリニューアルされて、味もよりおいしく、価格設定の見直しもありバリュー感もますますアップしていました。
当記事では、ワンコイン500円以内で食べられる3通りのメニューを紹介します。より割安に食べられる組み合わせについても考察しております。
ゼッテリア登場のきっかけは、2023年4月に外食チェーン最大手で「すき家」「なか卯」「ココス」などを運営するゼンショーホールディングスが、ロッテホールディングスの「ロッテリア」の全株式を取得したこと。
【画像18枚】ワンコインでこの充実度!土日の朝に食べたい「ゼッテリア」のモーニングはこんな感じ
ロッテリアという名称は前運営会社のロッテとカフェテリアを組み合わせた造語ということもあり、ゼンショー傘下で使い続けるのは、何だか奇妙です。
それもあってか買収から5カ月後の2023年9月、ロッテリア田町芝浦店は、ゼッテリアという店名でリニューアルオープンしました(ちなみに店名は絶品バーガーとカフェテリアを組み合わせたネーミングとのこと)。
ゼッテリアの店名の由来は、「ゼンショー+ロッテリア」ではなく、「絶品バーガー+カフェテリア」とのこと(筆者撮影)
写真は買収直後の2023年4月時に撮影したもの。「ロゴのフォントがロッテリアのまま!さすがにいつか変わるのかしら?」と驚きましたが、今も変わっていないようです(筆者撮影)
2023年1月1日時点で、日本全国に358店舗あったロッテリアは、2025年6月19日時点で222店舗と規模を縮小し、2年半で136店舗減少しました。
買収を経て、2年半で実に38%の店舗がなくなったわけです。
減った店舗がどうなったかというと、不採算店舗はもちろん閉店しているのですが、主要店舗は着々とゼッテリアに置き換えられていっています。
ロッテリアとしては「大量閉店」なのですが、ゼッテリアは「大量出店」しているわけですね。
2025年3月には、銀座数寄屋橋のロッテリアもゼッテリアに(筆者撮影)
2025年3月28日には、ついに日本の一等地、銀座数寄屋橋の交差点に面したロッテリアも、ゼッテリアに看板を掛け替え。
5月27日には何十年も前から京阪出町柳駅にあり、街のシンボル的な店舗だったロッテリアも、ゼッテリアとして再オープン。
現在のゼッテリア(写真左)と、ロッテリア 銀座クリスタルビル店閉店後、リニューアル工事中に張り出されたポスター(写真右)(筆者撮影)
「ようやくエンジンを温め終えて、ここから一気にフルスロットルでいくぜ!」といった趣を感じさせます。
ゼッテリアのモーニングの提供時間はオープンから朝10時30分まで。
ロッテリア時代の遺産を残しつつも、徐々にメニューや商品のブラッシュアップを継続しつつ、ゼンショー流のコスパ志向と業態改革を随所に反映しながら進化中です。
9種類のハンバーガーと3種類のスイーツを販売しています。
(筆者撮影)
(筆者撮影)
・ソーセージマフィン 税込290円・ソーセージエッグマフィン 税込340円・ソーセージエッグレタスマフィン 税込390円・ベーコンエッグサンド 税込290円・ベーコンエッグチーズサンド 税込340円・BLTエッグサンド 税込390円・とろ~りチーズバーガー 税込420円・えびバーガー 税込450円・タルタルチキンバーガー 税込420円・チュロ 税込220円・チョコチャンククッキー プレーン 税込190円・チョコチャンククッキー ココア 税込190円
これらの価格を見て「高くもないけど、安くもないな」という感想を持った方も多いのではないでしょうか?
ゼッテリアの本領発揮はここから。上記のモーニングメニューに、プラス200円で、三角ハッシュポテトとドリンクSが付いてくる「セット」、プラス50円でドリンクSサイズが付いてくる「ドリンクコンビ」があります。
ゼッテリアのモーニングは、ハンバーガーにプラス50円でドリンクコンビ。プラス200円でドリンクとハッシュポテトがセットになる(筆者撮影)
290円のベーコンエッグサンドをセットにしたら490円、450円のえびバーガーをコンビにしたら500円と、ワンコインで食べられる組み合わせが複数あり、節約派もグルメ派も満足できそうです。
突出した価格メリットを打ち出しているのが、プラス50円でドリンクSサイズが付いてくるドリンクコンビ。
ゼッテリア1号店がオープンした時点では同じセットがプラス100円で提供されていましたし、ロッテリアでは現在もプラス100円でコンビメニューを販売中です。
450円のえびバーガーと220円のカフェオレ、別で買ったら670円のところ、モーニングでコンビにしたら500円になり、170円お得(筆者撮影)
つまり、ゼンショーが今まで「お得なセット料金ですよ」と訴求していた価格の100円を、さらに半分まで下げて50円で提供しているのです。
これはちょっとした価格破壊です。ドリンクは税込150円~220円の商品から選べるので、最大170円値引きで飲めることになります。
290円のベーコンエッグサンドと190円の三角ハッシュポテトと290円のシェーキ、別で買ったら770円のところ、モーニングセットにしたら540円になり、230円お得(筆者撮影)
極めつけに知る人ぞ知る裏技を。モーニングのドリンクにプラス50円すると、単品価格290円のシェーキが注文できます。
以前はマクドナルドでSサイズが税込100円だったマックシェイクも、現在では税込160円(都心価格は190円)まで値上がりしてしまいました。値上げ続きの昨今、シェーキが100円で飲めるなんて、こんなありがたいことはありません。
プラス200円でオーダーできる「モーニングセット」も、もちろん安い。
単品価格が税込190円の三角ハッシュポテトと、ドリンクSをセットにすると、別々に買うよりも最大210円安くなり、注文した場合の半額以下で食べられることになります。
今回オーダーしたのはゼッテリアのソーセージマフィンセット。税込490円で、ソーセージマフィンに、三角ハッシュポテトとホットカフェオレがセットになっています。
ゼッテリアの朝限定メニュー、ソーセージマフィンセット490円(筆者撮影)
ゼッテリアとロッテリアはなんとなく似たメニューが多く、一部の食材も共通しているのですが、マフィンのバンズはゼッテリアの完全オリジナルのようです。
黄身がかったマフィンは、たっぷりとした厚みがあり、きめ細かい気泡の弾力製がある質感です。
ゼッテリアのソーセージマフィン断面図。厚みのあるマフィンは、ふわふわで弾力もあり食べ応えしっかり(筆者撮影)
マフィンというのは、ざらりとした肌触りで硬めで香ばしいのが一般的ですが、ゼッテリアのマフィンはふんわり柔らかく、ふわふわほろりと優しい口溶けです。
特製のスパイスに香薫を加えて練り上げた生ソーセージは、粗挽きでぷりぷりとした食感で、噛むほどにスパイスがふわりと鼻に抜けます。
三角ハッシュポテトは、カリッと揚がってホクホク(筆者撮影)
三角ハッシュポテトは3個入りで、肉厚でありながら一口サイズで食べやすい。表面はこんがりとしたきつね色で、歯触りはサクサクというよりザクザクで、割ると中のポテトはホクホクのアツアツ。
表面の香ばしさと内側のしっとり優しい甘味のコントラストが楽しく、口の中にポイっと放り投げて噛めば、シンプルなおいしさが口の中に広がります。
ゼッテリアでハンバーガーと同じぐらいに、注目してほしいのがコーヒーです。
ハンバーガーに合う味にブレンドされたゼッテリアのフェアトレードコーヒー(筆者撮影)
実はゼッテリアのコーヒーは、フェアトレードコーヒーという、「安く買い叩かれがちなコーヒー農家さんに正当な対価を支払う」、つまり、生産者にとって持続可能な取引を行う仕組みの豆が使われています。
仕入れ価格が上がるため、1杯あたりの価格が高くなる傾向があり、安い価格でコーヒーを販売するカフェチェーンでは、100%導入している店舗はほとんどありません。
そんな、ありがたいコーヒー豆を、ハンバーガーに合うブレンドで提供する。おいしくないわけがありません。
看板にも「絶品バーガー」「フェアトレードコーヒー」と記載されている(筆者撮影)
単品価格でSサイズが税込180円とリーズナブルでありながら、驚くほど本格的。
酸味と苦味のバランスの良く、飲めば飲むほどに、紙コップで提供されているとは思えない、一口にさまざまな旨みが入り混じる、ニュアンス豊かな奥行きのあるフレーバーです。
ハンバーガーやハッシュポテトの重さを、ほどよく受け止め、後味をすっきりと整えてくれる。
食事に寄り添う脇役としてだけでなく、コーヒー単体でもしっかりと楽しめる、完成度の高いモーニングの名脇役です。
一見、ロッテリアの焼き直しかと思いきや、実はゼンショーグループの底力と知恵が詰まった“令和仕様”のアップデートブランド。それがゼッテリアです。
ゼッテリアのえびバーガー断面図。シャキシャキのレタスたっぷり。ロッテリアのエビバーガーとはバンズが違う。野菜も千切りキャベツと組み合わせているため、味の印象は若干変化する(筆者撮影)
利用したのは平日の朝10時頃。最寄りの店舗は1階がオーダーカウンターで、注文用のタッチパネルを使用してオーダーと会計を済ませて、カウンターで商品を受け取ります。
この店舗では、客席は2階。中央のスペースには充電用のコンセントとUSBがついたカウンター席、ぐるりと囲むようにテーブル席が配置されています。
カウンター席にはコンセントとUSBの充電ポート。スマホを充電したり、ノートパソコンを開いたりと大活躍していました(筆者撮影)
ランチタイムに前を通ると、受け取り待ちの人たちが店外まで溢れていることもあるのですが、駅から少し距離があるということもあり、朝の時間帯はいつも空いています。
この日も2階に座っているのは筆者を含めて10人ほど。空いていることもあり、ノートパソコンを開いて作業している人も多く、ゆったりとした時間が流れていました。
ゼッテリアではバンズのおいしさも進化中。左が現在、右がオープン当初のソーセージマフィン(筆者撮影)
まだ店舗数が多くないためブランド認知が高いとは言えないこと、ロッテリアと類似点が多く、新ブランドとしての新鮮味が欠けることもあり、決して注目度が高いとは言えないのも事実。
しかし、実力はかなりのもので、「実は“令和のモーニング戦争”におけるダークホースなんじゃないかしら?」と、ワンコインの豪華朝食を頬張る朝です。
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編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の為替変動、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。画像をクリックすると本連載の過去記事にジャンプします
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(大木奈 ハル子 : ブロガー・ライター)