コメ価格の高騰が続く中、5キロ2000円の政府備蓄米が店頭に並び始めた。安価な備蓄米が出回ることで、今後、ブランド米を含めた全体の価格も下がっていくのか。
【画像】農水省で行われた小泉進次郎大臣のインタビューの様子
「文藝春秋」7月号(6月10日発売)では「コメ担当大臣」を自任する小泉進次郎農水大臣にインタビューしている。聞き手は『対馬の海に沈む』がベストセラーとなったノンフィクション作家の窪田新之助氏。
「日本農業新聞」出身である窪田氏の問いに、小泉大臣は備蓄米放出を一般競争入札から随意契約に切り替えた真意や、米価が下がることに懸念を示すJA側とのやり取りなどについて明かした。
文藝春秋のインタビューに答えた小泉進次郎大臣 文藝春秋
コメの高騰を抑えようとする小泉氏に複雑な眼差しを向けているのが、組合員の多くが稲作農家であるJAである。窪田氏が「各地のJAから反発はないですか」と尋ねると、次のように答えた。
「よく心配されますが、ありがたいことに、きちんと説明をすると、ご理解いただけるんです。大臣就任以降、北海道や埼玉など各地のJAトップに加え、地元の組合員さんたちとも議論してきましたが、『高止まりが続くとコメ離れが起こるのは大臣の言う通りです。ただ、これからも再生産を続けられる環境も整えてほしい』と」
さらに小泉氏はJA全農の桑田義文理事長と面会し、こう直談判したと明かした。
「これまで全農さんが落札した備蓄米は、残念ながら国民の皆さんが期待するスピードでは店頭に並んでいないので、『落札した備蓄米を早く出していただきたい』とお願いしました」
インタビューの中で、小泉氏が繰り返したのは、「とにかく今はコメの価格を下げることに集中する」という趣旨の発言だ。だが、「令和のコメ騒動」を招いたのは、長年続いてきた減反政策により、全国的にコメが不足していることが要因とされる。この点を小泉氏はどう考えているのか、窪田氏が問いただすと――。

小泉氏の「意外な答え」は、「文藝春秋」7月号及び、「文藝春秋」のウェブメディア「文藝春秋PLUS」(6月9日公開)のインタビュー記事「コメを守るためトランプ流でやる」に掲載している。
この記事では、今もなお実質的に続く減反政策の行方や、米価について「安ければいいというものではない」と語った森山裕自民党幹事長との関係性についても語っている。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2025年7月号)