連日暑い日が続いているが、日々の食卓に欠かせない卵に今、異変が起きている。一体何が起きているのか。卵の値上がりにつながる「エッグショック」の懸念が高まっている。
関東では猛暑日に迫る暑さとなった27日、東京都内の中華料理店で次々と注文されていたのが、冷やし中華だ。
夏の定番メニュー、冷やし中華。急に暑くなったため、こちらの店でも1日25杯ほどの注文が入るという。
冷やし中華に彩りとして欠かせない卵。その卵の価格の高騰に頭を悩ませていた。
味の萬楽 女将・古室真由実さん:またここのところ上がってきてます。だいたい上がる前は1ケース4200、4300円ぐらいでお取引いただけたんですけど、今は5000円ぐらいになっています。
JA全農によると、6月の卵の卸売価格は1kg当たり340円。過去最高値となり、「エッグショック」と呼ばれた2023年の350円に迫っている。
さらに、茨城・牛久市にある養鶏場では、暑さの影響で卵に異変が起きていた。
奈良ファーム・石渡正也さん:産みたての卵です。白くて肌触りが少しザラザラするような感じになっているような卵は、卵の殻が薄くなってしまう。暑さもこの子たちにとってはストレスになってしまう。
殻の薄くなった卵と普通の卵の殻を比べると、厚さが微妙に違うことが分かる。
ニワトリは厳しい暑さが続くと、夏バテで体温調節のために血液中のカルシウムが減少し、殻の薄いやわらかい卵となってしまうという。
奈良ファーム・石渡正也さん:(殻の薄い卵は)中身が全然変わらないんですけど、配送途中とかそういったところで割れる可能性があるので、なるべく卵の殻の薄い物は出荷せずに、お菓子屋さんに卸したりだとか。
こちらの養鶏場では暑さ対策のために扇風機を設置し、餌にカルシウム分の多いカキやホタテの殻の粉末を多めに入れるなどして対応している。
福井県の養鶏場ではさらなる異変が起きていた。指で押してへこむほどのブヨブヨの卵が見つかったという。
黒川産業・黒川公美子代表取締役:先々週と先週はすごく暑かったので、(1日)1個ぐらい。1800ぐらい今、卵を産んでいて、そのうちの1個。
専門家は、このブヨブヨの卵は牛久のものとは違い、「軟卵」という状態だと話す。
元東京農業大学教授・信岡誠治さん:軟卵というのは、先ほど言ったブヨブヨの卵。これはほとんどそんなに、たくさん出てこない。これはもう生理障害で、カルシウムを分別するところの管が詰まったり、暑さのせいではない。ニワトリの故障なんですよ。(「イット!」 6月27日放送より)