100匹ほどのネコがボランティアの家で死んでいた問題。背景に何があったのか、行政の管理を疑問視する声も上がっています。
熊本市北区のボランティア団体の女性の自宅で、預かったネコ100匹以上の死がいが見つかった「多頭飼育崩壊」。5月中旬、犬や猫の里親を探すボランティア団体「アニマルアシスト千手」にネコ2匹を預けた夫婦です。11日後、女性から1匹が死んだと知らされました。お腹や足の皮膚がはがれていたことから、ネコを検死に出したといいます。
■ネコ2匹を預けた夫婦「死因が知りたかったからですね。何されたんだろうって。普通に飼ってたらそんな皮膚が剥がれたりとか汚れるというか…まさかあんな状態になるとは思ってないから」熊本市動物愛護センターによりますと2日、現場からはネコ10匹以上が救出され、現在別の場所で保護されています。ネコを預かっていた女性は団体を通さず個人でもネコを引き受けていたとみられ、救出にあたったボランティアは、女性についてこう話しました。
■NPO犬ねこみらいサポート・中野裕子代表「猫が好きで助けたいという気持ちが強かった子だと思います。無理したんだな。猫を抱えすぎた。聞いてはほっとけないので、大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせながらやってきたと思う」なぜ最悪の事態を防げなかったのか。熊本市でネコの愛護活動を行う別のボランティアは、行政と団体の現状についてこう指摘します。
■ネコ愛護の団体代表「(行政は)ボランティアさん任せで、譲渡先の書類とか状況とかその把握もボランティアに任せている感がある」
熊本県動物愛護センターでは、登録団体にネコやイヌを引き渡した後、団体が譲渡した相手に加えて、年に1回、県から預かった数と譲渡した数を報告するよう求めています。一方で、団体や譲渡先の環境、飼育状況については確認していないといいます。■ネコ愛護の団体代表「保護している頭数、譲渡した頭数、亡くなった頭数財政的なもの、お世話をしている人の人数、キャパ。本人の心身の健康上に問題がないか。末端のボランティアの飼育環境を本来なら確実に管理しておかなければならなかった」
今回の問題を受けて、熊本県はアニマルアシスト千手に引き渡したネコとイヌの数や状況を確認していて、今後ほかの登録団体についても管理や飼育状況を確認する予定です。