石破茂首相が21日、佐賀市内で開かれたセミナーで「米は買ったことがない」などと発言した江藤拓農水相を更迭した。事実上の引責辞任となり、石破内閣での閣僚更迭は初。
石破茂首相は19日に首相官邸で江藤氏と面会。同氏を厳重注意した上で、引き続き米価の引き下げに務めるよう指示を出し、続投させる考えを伝えていた。
しかし、立憲民主党などの野党は20日に開いた国対委員長会談で、江藤氏の更迭・辞任が必要との認識で一致。江藤氏に対する不信任決議案の検討に入ることも確認していた。
同日夜、永田町関係者の間では「江藤氏が更迭されるのではないか」「連立を組む公明党が江藤氏の更迭に同意した。21日早朝には動きがあるだろう」という情報が流れて慌ただしくなった。
すると、21日午前に江藤氏は石破首相に辞表を提出。石破首相はこれを受理した。後任には小泉進次郎衆院議員が有力視されている。
石破首相が続投から一転、江藤氏を更迭した背景には自公による少数与党のなかで野党側から不信任案が国会に提出された場合、可決される可能性があることで早期の判断が迫られた格好だといわれている。
ある自民党議員は「石破総裁は野党が不信任案を出す前に更迭したのは都議選、参院選への影響を最小限にしたい思惑があります。続投からの更迭。ブレまくっていますね…」と語った。
今後、石破首相は野党側から任命責任が問われることが必至だ。