5月18日と19日の日程で、石川県七尾市と志賀町を訪問し、能登半島地震の復興状況を視察された愛子さま。被災地ご訪問を終えられ、天皇皇后両陛下も安堵されていると、宮内庁関係者は明かす。
「初の被災地へのご訪問でしたが、被災者を勇気づけ、復興へ向けた取り組みを支援するという目的を果たせたと、両陛下も安堵されていると伺っています。そして愛子さまは、被災地の現状や人々の思いに接し、いまも復旧や復興は道半ばであり、今後も震災の記憶が風化しないよう、いっそう心を寄せていきたいとお考えになっているようです。
また現地のボランティア団体とのご懇談から学ばれることは非常に大きかったとお感じになっているそうで、勤務されている日本赤十字社の青少年・ボランティア課でのお仕事にも結びつけていきたいと気持ちを新たにされたと伺っています」(宮内庁関係者)
七尾市と志賀町ではそれぞれボランティア活動に携わる人々をはじめさまざまな人々と懇談されていたが、愛子さまが抱かれている“問題意識”が垣間見える場面があった。それは、19日に志賀町の道の駅「とぎ海街道」での仮設店舗のご視察中、弁当を販売している「日本料理 波濤園」店主の岩上義弘さん(69)とお話しになっていたときのことだ。岩上さんはこう話す。
「愛子さまから『お弁当は、一日にいくつぐらい作っていますか?』と質問がありましたので、20~30個ですとお答えすると、『多くは作らないのですか』とさらにお尋ねになったのです。それで、『余ると困ってしまいますし、20~30個でも余ることもあります』と申しましたら、『それはフードロス対策のためにもいいことですね』とおっしゃったのです」
フードロスとは、食品ロスとも言われている問題で、本来食べられるのに廃棄されてしまう食品が生まれていることを指す。減少傾向にあるものの、農林水産省などの2022年の推計によれば、その量は日本国内で年間472万トンにも上っており、国民一人当たりのフードロスの量は1年で約38キロだとされる。皇室担当記者はこう話す。
「愛子さまは5月上旬に大阪・関西万博を視察された際に、食を通して生命の循環や未来について考えるパビリオン『EARTH MART』をご覧になっています。
ご視察後、同館の館長を務める小山薫堂さんに、『フードロスの問題には心が痛みます』とお気持ちを表し、『フードロスが世界で問題になる一方で食糧危機の地域もあり、これをどうにかして解決する方法はないだろうかと、よく家族で話し合っています』と話されました。日ごろから天皇ご一家がフードロス問題に関心を寄せられていることを明かされたのです。
天皇陛下や雅子さまは、長年国内外の貧困や飢餓にもお心を寄せておられますが、こうしたご姿勢が愛子さまにも受け継がれているのだと思いました。人々との語らいの中で愛子さまから自然にこうしたお言葉が発せられるのも、家族での話し合いを日々、重ねていらしたからなのでしょう」
限りある食料資源を浪費し、地球環境にも負荷を与えているフードロス。愛子さまはこれからもご活動を通じて、この問題と向き合われていくのだろう。