まぶたが突然、ピクピクすることはありませんか。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。病気の可能性や受診目安などについて、いわみ眼科(兵庫県芦屋市)理事長で眼科医の岩見久司さんに聞きました。
Q.まぶたが突然、ピクピクとけいれんすることがあります。どのような原因が考えられるのでしょうか。
岩見さん「筋肉が無意識のうちに動くことは不随意運動と呼ばれています。このうち、まぶたの不随意運動のことを『ミオキミア』または『眼瞼(がんけん)ミオキミア』と言います。
まぶたの下には『眼輪筋』という筋肉があり、この部位にミオキミアが生じるとまぶたがピクピクとけいれんします。ミオキミアの明確なメカニズムは分かっていませんが、目や全身の疲労、ストレスと関連があるといわれています」
Q.まぶたがピクピクとけいれんするのは病気のサインなのでしょうか。
岩見さん「基本的に病気と呼べるほどのものではないため、放置しても問題ありません。『眼瞼けいれん』という病名も存在しますが、これはまぶたがピクピクするものではありません。眼瞼けいれんの症状は『まぶしい』『涙が出る』などの症状が出てまばたきがうまくいかなくなる病気です」
Q.目の片側のけいれんが続くときはどうすればよいのでしょうか。
岩見さん「先述のように、まぶたのピクピクは基本的に疲労や緊張の高まりと関連するため、ピクピクする部分をもんだり、触ったりするなど、まぶたへの意識が向く行為はかえって逆効果です。ミオキミアは休息を必要とするサインでもあるため、なるべく意識せずにしっかり休むことを心掛けてください」
Q.右か左の片側で、まぶたも頬も震える場合、どのような病気の可能性が考えられるのでしょうか。
岩見さん「まぶたも頬も震える場合は顔面神経に異常が出ており、『片側顔面けいれん』という病気の可能性があります。この病気は顔面神経と脳の血管が接触することで生じます。
対症療法として筋肉の動きを止めるボツリヌス毒素を注射することや薬物療法、根本治療として脳外科手術で顔面神経と血管の距離を空けるものがあります。この症状がはっきりある場合は脳神経内科、脳神経外科を受診しましょう」